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 日本工営は、2024年6月期の純粋持ち株会社設立に向け、財務面で好スタートを切った。検討開始後の初年度に当たる22年6月期の第2四半期連結決算で増収増益を達成。通期でも売り上げと利益がともに過去最高となる見通しだ。ロシアのウクライナ侵攻で世界情勢が不透明感を増す中、勢いを持続できるかが焦点となる。

純粋持ち株会社制のイメージ(資料:日本工営)
純粋持ち株会社制のイメージ(資料:日本工営)
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 22年6月期第2四半期連結決算では、売上高に当たる売上収益が529億8100万円と前年同期比で12.4%増えた。営業利益は12億6800万円で、前年同期の17億3000万円の赤字から黒字に転換。当期純利益も6億1500万円と、前年同期の20億5500万円の赤字から黒字化した。

 いずれも、21年6月期通期決算から適用している国際会計基準(IFRS)に基づく数値。同第2四半期では日本基準を採用していたため、今回は前年同期の数値をIFRSベースに組み替えた。それ以前の日本基準の決算と単純比較できないものの、日本工営によると、今回の売上高と営業利益は過去最高を更新。中間決算では初の最終黒字を確保した。

2022年6月期第2四半期連結決算の概要。国際会計基準(IFRS)に基づく(資料:日本工営)
2022年6月期第2四半期連結決算の概要。国際会計基準(IFRS)に基づく(資料:日本工営)
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事業セグメント別の2022年6月期第2四半期連結決算の概要。IFRSを適用(資料:日本工営)
事業セグメント別の2022年6月期第2四半期連結決算の概要。IFRSを適用(資料:日本工営)
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 主力のコンサルティング事業では、国内の公共事業の多くが年度末の3月に納期を設定している。売り上げと利益はともに決算期の下期(1~6月)に増える傾向が強い。そのため、中間決算では黒字になりにくい収益構造となっている。

 そうした中で、今回の第2四半期決算で黒字を確保できたのは、コンサルティング、都市空間、エネルギーの主要3事業でいずれも増収となったからだ。売上収益は、コンサルティング事業が前年同期比10.7%増の336億2600万円、都市空間事業が同16.9%増の104億2600万円、エネルギー事業が同16.1%増の85億6500万円。

 中でも、全体の売上収益の6割を占めるコンサルティング事業では、海外部門が136億3900万円(概算値)と前年同期比で33%と大幅に増えた。新型コロナウイルスに関する各国・地域の規制緩和が進み、渡航件数が前年同期の約3倍に増加。新型コロナの感染拡大前の水準におおむね回復した。

 新型コロナの影響で国内部門の支援に携わっていた海外部門の社員は全て本来の業務に戻った。コロナ禍で低迷していた海外部門の稼働率や生産性が向上し、全体の売り上げと利益を押し上げた。各国・地域の活動の活発化に伴い、国内部門の社員が逆に海外部門を支援するケースもあったという。

 純粋持ち株会社制の導入に向け、コンサルティング事業の国内部門と海外部門の融合を進めてきた成果が表れた格好だ。移行期間初年度の22年6月期には、事業セグメントを従来の5つから3つに変更。コンサルティング事業では、「コンサルタント国内」と「コンサルタント海外」の2つのセグメントを1つに集約した。

事業セグメント変更の概要(資料:日本工営)
事業セグメント変更の概要(資料:日本工営)
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