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 大阪市が阪神高速道路会社と進めている「淀川左岸線」2期工事の事業費が、従来よりも1000億円ほど増え、約2900億円に上る見通しであることが分かった。周辺宅地への影響を防ぐために地盤改良工法の変更が必要となり、費用が増大した。市が2022年3月2日に明らかにした。

工事が進む淀川左岸線の2期工事区間(写真:大阪市)
工事が進む淀川左岸線の2期工事区間(写真:大阪市)
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 2期工事の事業費を巡っては、土壌汚染対策や地中障害物の撤去などで、20年11月に当初の1162億円から1918億円に増やした経緯がある。今回の増額によって、当初の見込みの2.5倍に膨れ上がる。

 淀川左岸線は、海老江ジャンクション(JCT)と豊崎インターチェンジ(IC)を結ぶ延長約4.4kmの自動車専用道路だ。その大部分は、淀川左岸の堤防内にボックスカルバート構造のトンネルで建設する。

 地盤が軟弱なため、カルバートの構築前にサンドコンパクションパイル工法とサンドドレーン工法を併用する砂杭によって地盤改良する。上層の砂質土層をサンドコンパクションパイルで締め固めるとともに、その下にある粘性土層からサンドドレーンで水を排出する仕組みだ。

淀川左岸線の位置図。大阪市中心部の交通網が集中して交差する。大阪市の資料を基に日経コンストラクションが作成
淀川左岸線の位置図。大阪市中心部の交通網が集中して交差する。大阪市の資料を基に日経コンストラクションが作成
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地盤改良とトンネル工事のイメージ。地盤改良後にボックスカルバート構造のトンネルを構築する。取材を基に日経コンストラクションが作成
地盤改良とトンネル工事のイメージ。地盤改良後にボックスカルバート構造のトンネルを構築する。取材を基に日経コンストラクションが作成
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 21年9月に砂杭を施工したところ、近隣の住宅で花壇の壁が数ミリメートルずれたり、側溝の目地にひび割れが生じたりする変状が現れた。砂杭から近隣住宅までの距離は十数メートル。両者の間に打設してあった長さ13mの土留めの鋼矢板にも変位が生じていた。砂杭によって、周辺の地盤が押し出された影響とみられる。

 工事は3工区に分かれる。延長約800mの1工区で砂杭の施工が終わり、2工区が始まってすぐに変状が生じた。市によると、1工区の施工では同様の変状は見られなかった。2工区で宅地にまで影響が及んだ原因は不明だ。