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 建設業界で、政府が要請する「3%賃上げ」の流れが強まっている。国土交通省と建設業団体は、技能労働者の賃金の約3%引き上げを目指すことで合意。鹿島、大成建設、大林組、清水建設の上場大手4社も、従業員の賃金の3%以上引き上げで足並みをそろえた。

国土交通省が2022年2月28日に開いた建設業4団体との意見交換会(写真:国土交通省)
国土交通省が2022年2月28日に開いた建設業4団体との意見交換会(写真:国土交通省)
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 清水建設は2022年3月7日、従業員の賃金を前年度比で平均3%以上引き上げると発表した。24年4月に建設業界に適用される時間外労働の上限規制に向け、労働環境の改善に取り組んでいる従業員の労に報いるためだと説明。併せて、「成長と分配の好循環」に向けた政府の取り組みに寄与するとも述べた。鹿島や大成建設、大林組の3社も、すでに2月に同様の発表をしている。

 一方、国交省が建設業団体と技能労働者の賃上げで合意したのは、22年2月28日に開いた意見交換会の場だ。斉藤鉄夫国交相が、日本建設業連合会(日建連)、全国建設業協会(全建)、全国中小建設業協会(全中建)、建設産業専門団体連合会(建専連)の4団体のトップと会談。22年に「おおむね3%」の賃金上昇を目指すと申し合わせた。

 国交相と4団体トップとの意見交換会は例年、春先と秋ごろに開催する。21年3月30日に開いた春の意見交換会では、赤羽一嘉国交相(当時)と4団体トップが、技能労働者の賃金について、21年に「おおむね2%以上」の引き上げを目指すことで合意した。

 今回の春の意見交換会も前年と同様に、技能労働者の賃上げの数値目標を設定。国交省と4団体がともに目標の達成に向けて取り組むことを確認した。国交省は2日後の22年3月2日、意見交換会の合意を傘下企業に周知するよう4団体に通知。要請文に次のように記した。

 「今後の担い手確保のため、技能労働者の賃金の引き上げが設計労務単価の上昇を通じて、適正利潤の確保、さらなる賃金の引き上げにつながる好循環を継続することが必要であり、様々な課題もあり、困難を伴うものの、本年(22年)はおおむね3%の賃金上昇の実現を目指して、全ての関係者が可能な取り組みを進めることとなった」