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 2022年3月に発生した福島県沖を震源とする地震で、大きな被害を受けた阿武隈川に架かる道路橋2橋を、国と県が道路法に基づく権限代行で復旧する。

 国土交通省東北地方整備局が県管理の国道399号伊達橋の復旧を、県が桑折(こおり)町道107号昭和大橋の復旧を、それぞれ代行する。東北地整は、県管理の主要地方道浪江国見線伊達崎(だんざき)橋の健全度なども診断する。国交省と県が22年4月8日に明らかにした。

福島県が管理する伊達橋(写真:国土交通省東北地方整備局)
福島県が管理する伊達橋(写真:国土交通省東北地方整備局)
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 東北地整が権限代行で復旧する伊達橋は、1967年に完成した橋長288mの4径間連続ワーレントラス橋だ。今回の地震で橋桁が西の左岸側へ30cmほどずれ、橋台と橋脚に設置されていた5つの鋼製ピン支承が全て破損した。支承が橋座からずれた他、ローラーピンが外れた。上弦材と上沓の間の溶接もはがれた。

 このうち、東の右岸側から2つ目のP2橋脚の支承は、2011年3月に発生した東日本大震災や、21年2月に最大震度6強を観測した福島県沖地震でも破損している。固定支承のため、地震の負荷がかかりやすかったとみられる。

伊達橋の伸縮装置の被災状況(写真:国土交通省東北地方整備局)
伊達橋の伸縮装置の被災状況(写真:国土交通省東北地方整備局)
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伊達橋の鋼製ピン支承の被災状況(写真:国土交通省東北地方整備局)
伊達橋の鋼製ピン支承の被災状況(写真:国土交通省東北地方整備局)
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 県は今回、支承が全て破損し、橋桁もずれたことから、復旧に高い技術力を要すると判断。22年4月1日に国交省に権限代行による復旧を要望した。併せて、伊達崎橋の直轄診断も依頼した。

 伊達崎橋は、1961年に完成した橋長303mのプレストレストコンクリート(PC)単純ポストテンションT桁橋(7連)だ。今回の地震で伸縮装置が破損した。県が応急復旧し、2022年4月2日に大型車を除いて交通開放した。

 地元では以前から、老朽化などを理由に伊達崎橋の架け替えを求める声が上がっていた。橋の両岸の伊達市と桑折町、近隣の国見町の1市2町は21年7月、県に架け替えを要望。県が別ルートでの新橋の架設を視野に検討を始めようとしていた矢先に被災した。

 そのため県は、災害復旧事業の原則である原形復旧に取り組む前に、まずは国交省による橋の診断を受ける必要があると判断。その診断結果を踏まえ、今後の方針を検討することにした。

福島県管理の伊達崎橋(写真:国土交通省東北地方整備局)
福島県管理の伊達崎橋(写真:国土交通省東北地方整備局)
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伊達崎橋の伸縮装置の被災状況(写真:国土交通省東北地方整備局)
伊達崎橋の伸縮装置の被災状況(写真:国土交通省東北地方整備局)
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