東京外かく環状道路(外環道)のトンネル工事で大泉ジャンクション(JCT)側から掘進していたシールド機が鋼製の地中壁との接触で破損し、停止した。工事を発注した東日本高速道路会社などが2022年4月12日に発表した。約半年かけて地上からシールド機前面を開削し、部品を交換する。
掘進を停止したのは、清水建設・熊谷組・東急建設・竹中土木・鴻池組JVが施工する南行き本線トンネルのシールド機。東京都調布市で起こった路面の陥没事故を受けて工事を中断した後、22年2月25日に掘進作業を再開したばかりだった。
東京都練馬区に位置する掘進再開地点から南へ約90m、発進たて坑から約640m、土かぶり約5mの地点で、シールド機が取り込んだ土砂からカッターの破片などが見つかった。
調べたところ、現場に埋設された幅20m、深さ28m、厚さ1mの鋼製地中壁に接触していた。地中壁の一部とみられる鋼材や、シールド機のチャンバー内部の土砂をかくはんする部品などの破片も見つかった。
地中壁はシールド機の進行方向に対して垂直に埋設され、中央付近を掘って通過できるようにその範囲を硬質ウレタン素材で構成していた。
しかし、地中壁の位置が設計値に比べて下に約90cm、水平方向に約10cmずれていたため、シールド機がウレタン部分から外れた。シールド機の位置は設計通りだった。
今後、地上からシールド機の前面を開削し、カッターヘッドの状態を詳しく確認して部品の交換など補修を進める。作業にかかる期間は約半年を見込む。東日本高速は工事全体の進捗への影響について「現段階では見通せる状況ではない」としている。