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 大手建設コンサルタント会社がM&A(合併・買収)などを通じて地方需要の取り込みに力を入れる。長大を擁する持ち株会社の人・夢・技術グループは、栃木県の建設コンサルタント会社と資本業務提携を結び、同社を傘下に収める。日本工営は、まちづくりを得意とする子会社の玉野総合コンサルタント(名古屋市)と自社の都市空間事業部門を統合する。

人・夢・技術グループのロゴ(資料:人・夢・技術グループ)
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 人・夢・技術グループが提携するのは、鉄道橋の設計などを強みとするピーシーレールウェイコンサルタント(PCRW、宇都宮市)だ。人・夢・技術グループが2022年9月末をめどにPCRWの発行済み株式の過半数を取得し、同社を子会社化する。22年4月27日に両社で基本合意した。

 PCRWは1989年設立の中堅クラスの建設コンサルタント会社だ。鉄道や道路、河川、上下水道など多分野で事業を展開する。直近の2021年5月期の売上高は約22億5000万円。都内や札幌市、仙台市、長野県松本市に支店を構え、20年12月に盛岡市の岩手建設コンサルタントを子会社化した。自治体の他、大手建設コンサルタント会社などからも業務を受注。人・夢・技術グループとも取引関係がある。

 人・夢・技術グループは、長大が21年10月に単独株式移転方式で設立した持ち株会社だ。長大の他、基礎地盤コンサルタンツ(東京・江東)や長大テック(東京・中央)、順風路(東京・豊島)などを傘下に持つ。22年9月期の連結売上高は357億円の見込み。31年9月期の連結売上高600億円の目標達成に向け、持ち株会社の下でM&Aを加速する。

人・夢・技術グループの持ち株会社制のイメージ。2021年10月に、長大や基礎地盤コンサルタンツなど5社を連結子会社として発足した(資料:人・夢・技術グループ)
人・夢・技術グループの持ち株会社制のイメージ。2021年10月に、長大や基礎地盤コンサルタンツなど5社を連結子会社として発足した(資料:人・夢・技術グループ)
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 注力分野の1つが「地方創生」だ。グループの成長には、橋梁設計など基幹事業の強化に加え、国土強靱(きょうじん)化や地方活性化など「新領域」の事業の拡大が欠かせないと判断。地域の実情に精通した地場の建設コンサルタント会社との連携を深め、地方需要の取り込みを狙う。

 受け皿となるのが持ち株会社だ。地場の会社のグループ入りを促すため、持ち株会社制の下で長大など他の子会社と対等な立場で迎え入れる。それを強調するために、持ち株会社の社名から長大色を払拭。親会社による子会社管理の意味合いが強い「ホールディング」を使わずに、経営理念を共有する会社の集団を表す「グループ」を採用した。

 PCRWとの資本業務提携は、持ち株会社制の導入目的の1つである地場の会社のグループ化を象徴する。同社の株式の取得数や取得方法、新たな経営体制などは今後詰めるが、今回の取り組みを機に地場の会社との連携をさらに進める考えだ。

人・夢・技術グループの持ち株会社制導入の目的(資料:人・夢・技術グループ)
人・夢・技術グループの持ち株会社制導入の目的(資料:人・夢・技術グループ)
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