中小建設会社のデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが遅れている実態が、中小企業庁の委託調査で浮き彫りになった。ウェブ会議の導入など業務のデジタル化に関して、約4割はアナログからの移行を始めたばかりの状態だった。約1割はデジタル化に着手していなかった。
アンケートは、中小企業庁から業務を受託した東京商工リサーチが2021年11~12月に、全業種の中小企業・小規模事業者2万社を対象に実施。4877社から回答を得た。設問によって回答数は異なるが、建設業はおおむね300社以上が答えた。調査結果は、政府が22年4月26日に閣議決定した22年版中小企業白書に掲載されている。
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、ウェブ会議やテレワークなど業務のデジタル化に取り組む会社が増えている。そこでアンケートでは、感染症の流行前(19年時点)から現在(21年時点)に至るまでの取り組み状況や収束後の方針などを業種別に調べた。
感染症流行後のデジタル化の取り組み状況を4段階で尋ねたところ、建設業では8.6%の会社が段階1(紙や口頭でのやり取りが中心でデジタル化が図られていない状態)と回答。38.9%が段階2(電子メールの利用や会計業務の電子処理などアナログからデジタルに向けたシフトを始めた状態)と答えた。