大阪府守口市で掘削中のシールドトンネル内に作業員が閉じ込められた事故を受け、工事を発注した大阪広域水道企業団は2022年5月12日、有識者による事故原因検討会の初会合を開いた。発進たて坑のある大庭浄水場で、委員による現場視察と併せて、掘削土砂を入れる容器や発進たて坑内の様子などを報道陣に公開した。
事故が起こったのは21年12月16日。守口市内にある大庭浄水場と庭窪浄水場を結ぶ内径1.1mの水道トンネルを掘削中に水と土砂が流入し、作業員1人が2日間閉じ込められた。
日経クロステックの取材で、掘削土砂を入れる密閉型の「土砂スキップ」と呼ぶ容器の蓋が何らかの原因で外れ、土砂があふれ出たことが分かっている。シールド機やセグメントに異常はなかった。
事故当時、トンネル内では土砂スキップを2台つなぎ、その後方(坑口側)にバッテリー機関車を連結していた。あふれた土砂がバッテリー機関車や土砂スキップの周囲に堆積し、前方にいた作業員の退路を塞いだ。