大手建設会社4社が2022年5月13日までに発表した22年3月期の単体決算で、売上高が前期比12%増で4社中トップだった大林組が、営業利益では同95%減で最下位となった。複数の大規模工事による損失で、利益が大幅に落ち込んだ。他の3社も資材価格高騰の影響などを受けて減益となった。
売上高は、土木事業で鹿島と清水建設の落ち込みが目立つものの、全体では4社とも前期を上回った。23年3月期も4社全て増収と予想している。
鹿島は22年3月期の土木事業について、決算説明会資料で「大きく進捗した大型工事が少なく減収となったものの、おおむね予想通り」と説明。高林宏隆経営企画部長は、「建設投資はコロナ禍前の水準にまで回復してきている」との見方を示す。
利益については4社とも不振が目立つ。特に落ち込みが著しい大林組は、21年11月に業績予想を大幅に下方修正。国内の数件の大規模な建築工事で、原価低減を見込んだVE提案が不採用に終わったうえ、資材価格の上昇や設計の見直しのため原価率が高くなり、多額の損失が発生したと明らかにしていた。
清水建設も22年4月、利益などの予想を下方修正。建築工事での資材価格上昇に加え、シンガポールの大型建築工事で、コロナ禍のため工期延長や人手不足が生じたことを理由に挙げた。