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 国土交通省は、資源有効利用促進法に基づく省令を改正し、建設発生土(残土)の適正処理を促す規制を強化する。公共工事や民間工事の元請け会社に作成を義務付けている再生資源利用促進計画や再生資源利用計画の対象工事を拡大。発注者への計画の提出や説明も義務付ける。

 2022年6月29日に改正省令案のパブリックコメント(意見公募)を開始。7月28日まで意見を受け付ける。その後、公募結果を踏まえ、改正省令を9月ごろまでに公布。23年1月の施行を目指す。

愛知県弥富市の金魚養殖場跡地に投棄された建設発生土(残土)の山。土地所有者は、跡地を水田にするため、「道路から30cm低い位置まで」という条件で残土の搬入を承諾した。しかし、約束は守られず、高さ10mほどまで積み上げられた。2020年末ごろの様子(写真:日経コンストラクション)
愛知県弥富市の金魚養殖場跡地に投棄された建設発生土(残土)の山。土地所有者は、跡地を水田にするため、「道路から30cm低い位置まで」という条件で残土の搬入を承諾した。しかし、約束は守られず、高さ10mほどまで積み上げられた。2020年末ごろの様子(写真:日経コンストラクション)
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 21年7月に静岡県熱海市で発生した土石流を受け、内閣府の有識者検討会は同年12月、危険な盛り土の防止に向けた提言をまとめた。国交省は提言を踏まえ、公共・民間工事の標準請負契約約款に残土搬出先を明示することを立案。22年6月21日の中央建設業審議会(中建審)総会で約款改正を決定し、同日付で勧告した。

 今回の資源有効利用促進法に基づく省令改正も、有識者検討会の提言を踏まえた対応だ。残土などを搬出する工事を対象とする指定副産物省令と、残土などを搬入(利用)する工事を対象とする再生資源省令の2つを改正する。

 指定副産物省令の改正案では、元請け会社に再生資源利用促進計画の作成を義務付ける工事について、基準の残土搬出量を現行の1000m3以上から500m3以上に引き下げ、対象を拡大する。計画の記載内容も拡充。現行の搬出量に、以下の項目を追加する。

 (1)発注者と元請け会社の名称(2)工事現場の責任者の氏名(3)搬出先の再資源化施設や他の工事現場の名称と所在地(4)工事現場での発生量に対する現場内外の再生資源としての利用量の割合(再生資源利用促進率)(5)計画の作成日または変更日――。

 計画の作成後、発注者への提出と説明の他、発注者から請求があった場合に計画の実施状況を発注者に報告することや、現場の仮囲いなど見やすい場所に計画を掲示することを義務付ける。インターネットによる公表も努力義務とする。保存期間は、現行の工事完成後1年間から5年間に延ばす。請負契約の締結時に運搬費など処理費用を適切に見積もる努力義務も課す。

資源有効利用促進法の残土に関する現行規定の概要(資料:内閣府)
資源有効利用促進法の残土に関する現行規定の概要(資料:内閣府)
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