全1930文字
PR

 内閣府が自治体に配分する地方創生関係の交付金の存在意義が問われている。中央官庁の事業の無駄をチェックする「行政事業レビュー」で過去5年間、2度にわたって「抜本的な改善」を指摘された。予算規模が比較的大きい一方で、政策効果が明らかでないのが主な理由だ。レビューした有識者からは「廃止」を求める声も上がっている。

地方創生推進交付金の行政事業レビューシートの一部(資料:内閣府)
地方創生推進交付金の行政事業レビューシートの一部(資料:内閣府)
[画像のクリックで拡大表示]

 行政事業レビューでは毎年度、外部有識者を交えて、国の事業の執行状況などを点検する。中央官庁は6月に「公開プロセス」と呼ぶ公開議論を実施。11月に内閣官房の行政改革推進本部が公開の「秋のレビュー」を行い、それらの事業の必要性などを検証する。点検結果は、その年度の事業の執行や翌年度予算の要求・編成に反映する。

 内閣府が2022年6月30日に実施した公開プロセスでは、地方創生推進交付金と地方創生拠点整備交付金について議論した。いずれも地域再生法に基づく法定交付金で、16年度に導入した。人口減少の克服や東京一極集中の是正に向け、観光・産業振興や移住・就業促進などを図る自治体に交付する。対象は推進交付金がソフト事業で、拠点整備交付金がハード事業だ。

地方創生関係交付金の概要(資料:内閣府)
地方創生関係交付金の概要(資料:内閣府)
[画像のクリックで拡大表示]
地方創生関係交付金の活用状況(資料:内閣府)
地方創生関係交付金の活用状況(資料:内閣府)
[画像のクリックで拡大表示]

 これまでに、地方創生推進交付金は全都道府県と約8割の市区町村が受給。地方創生拠点整備交付金も44道府県と約5割の市区町村が利用している。予算規模は、推進交付金が22年度当初予算で532億円を計上。拠点整備交付金は21年度補正予算(460億円)と22年度当初予算(70億円)を合わせて530億円を確保している。

 内閣府が行政事業レビューで、これら地方創生関係交付金を取り上げたのは、予算規模が大きい上に、17年度の公開プロセスで事業全体の抜本的な改善を要請され、さらに19年度の秋のレビューでも効果検証に関する指摘を受けたからだ。

 今回の公開プロセスでも、有識者から「結構な予算規模だが、予算の制約で自治体の申請事業を採択しなかったケースはあるのか」との質問が出た。これに対して、内閣府は「予算の制約の観点で採択しなかったものはない」と回答した。すると、その有識者は次のように批判した。

地方創生推進交付金の予算額と執行額の推移(資料:内閣府)
地方創生推進交付金の予算額と執行額の推移(資料:内閣府)
[画像のクリックで拡大表示]
地方創生拠点整備交付金の予算額と執行額の推移(資料:内閣府)
地方創生拠点整備交付金の予算額と執行額の推移(資料:内閣府)
[画像のクリックで拡大表示]