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 MetaMoJi(メタモジ、東京・港)と大林組、労働安全衛生総合研究所は、人工知能(AI)の技術を用いて現場作業の労働災害リスクを予測するシステム「安全AIソリューション」を共同開発した。KY活動表などの帳票に組み込むと、作業内容や作業者の職種・年齢、使用機材といった要素を踏まえた労災リスクが自動で抽出・提示される。日々のリスクアセスメントに活用できる。

 開発したシステムは、現場管理に必要な帳票をタブレット端末などで作成・管理する、MetaMoJiの現場向け業務アプリ「eYACHO(イーヤチョウ)」や、デジタルノートアプリ「GEMBA Note(ゲンバノート)」上で用いる。

「安全AIソリューション」の概要。厚生労働省や建設会社が蓄積した労災事例からデータベースを構築し、それを基に労災リスクを予測する。eYACHO上の帳票に「Dynamic Checklist(ダイナミックチェックリスト)」と呼ぶ機能を組み込んでおくと、作業内容などに応じて自動で労災リスクが抽出・提示される。ダイナミックチェックリストは、KY活動表や作業日報など様々な帳票に組み込める(資料:MetaMoJi)
「安全AIソリューション」の概要。厚生労働省や建設会社が蓄積した労災事例からデータベースを構築し、それを基に労災リスクを予測する。eYACHO上の帳票に「Dynamic Checklist(ダイナミックチェックリスト)」と呼ぶ機能を組み込んでおくと、作業内容などに応じて自動で労災リスクが抽出・提示される。ダイナミックチェックリストは、KY活動表や作業日報など様々な帳票に組み込める(資料:MetaMoJi)
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 活用方法は次のとおり。利用者はまず、「作業予定記入票」や「KY活動表」といったeYACHO上の帳票で、作業内容や使用機材、職種などを記入する。例えば、それぞれ「足場の組み立て・解体」「移動式クレーン」「とび工」と入力した場合、「安全管理不十分による墜落・転落」など複数の労災リスクが重要度の高い順に自動で表示される。

 次に、列記されたリスクから、その日に重点的に対策を講じたい項目を選択。すると、「移動式クレーンの作業を予定から変更する場合、元請け事業者が調整する」「吊(つ)り荷の上に作業者を乗せて作業することを禁止する」といった具体的な安全衛生指示事項をシステムが提案する。同じ画面から、類似する作業で起こった過去の労災の詳細情報にもアクセスできる。

「作業予定記入票」での利用イメージ。赤枠内に作業内容や使用機材を入力すると、危険予測や安全衛生指示事項が青枠内に表示される。MetaMoJiの資料に日経クロステックが追記
「作業予定記入票」での利用イメージ。赤枠内に作業内容や使用機材を入力すると、危険予測や安全衛生指示事項が青枠内に表示される。MetaMoJiの資料に日経クロステックが追記
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 同じ作業内容でも、入力した内容に応じて提示されるリスクは変わる。労災リスクは作業者の年齢や経験年数、職種といった要素によって異なるからだ。

 例えば足場の解体作業の場合、作業者が50代の場合は「安全帯の不使用」や「近道行動」への注意を促す。20代に対しては、「作業手順の不徹底」や「吊り荷下部への進入」の危険性を提示。職種がとび工ではなく鉄筋工であれば、「設備や工具の整備不足」などを注意事項として挙げる。

 システムの利用に際しては、eYACHO上の帳票にあらかじめ「Dynamic Checklist(ダイナミックチェックリスト)」と呼ぶ機能を組み込んでおく。入力内容を基にシステムが予測したリスクなどを表示するものだ。ダイナミックチェックリストは様々な帳票に追加できるため、朝礼やKY活動など様々な場面で活用を見込める。

建設現場で実施する日々の安全衛生活動と、その際に使用する帳票の例。ダイナミックチェックリストを様々な帳票に組み込めば、朝礼や日々の会議で活用できる(資料:MetaMoJi)
建設現場で実施する日々の安全衛生活動と、その際に使用する帳票の例。ダイナミックチェックリストを様々な帳票に組み込めば、朝礼や日々の会議で活用できる(資料:MetaMoJi)
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