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翔鷹大橋のエクストラドーズド橋の部分(蟹沢大橋)。斜張橋と桁橋を折衷したような構造形式で、主塔から伸びたケーブルと橋桁の両方で荷重を分散して負担する(写真:秋田県)
翔鷹大橋のエクストラドーズド橋の部分(蟹沢大橋)。斜張橋と桁橋を折衷したような構造形式で、主塔から伸びたケーブルと橋桁の両方で荷重を分散して負担する(写真:秋田県)
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 1998年に完成したエクストラドーズド橋などで構成する秋田県道325号の翔鷹(しょうよう)大橋(秋田県北秋田市)で、耐震補強の計画が技術的な難しさから行き詰まっている。橋を管理する県は設計を終えたものの、工事の発注を棚上げした。県から耐震補強を要望された国土交通省も「実現性が低い」と判断。2022年6月17日に耐震補強の断念を発表した。

■国の自動車道に組み込まれるはずだった県道の橋
■国の自動車道に組み込まれるはずだった県道の橋
国土交通省の資料に日経クロステックが加筆
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 翔鷹大橋は、北からJR奥羽本線をまたぐ橋長92mの今泉跨線橋、245mの今泉高架橋、米代川に架かる380mの蟹沢大橋と連続する3橋梁の総称だ。この中で蟹沢大橋がエクストラドーズド橋となっている。1990年代に導入された比較的新しい橋梁形式だ。

 県道325号は、高規格幹線道路である日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の今泉インターチェンジ(IC)建設予定地と蟹沢ICの間を結んでいる。国交省と秋田県は当初、県道を改修して日沿道に組み込む考えだった。

 翔鷹大橋は、道路橋示方書で一般国道の橋と同等のB種に位置付けられる。示方書は阪神大震災の翌年の96年に改定され、耐震設計の基準が引き上げられた。しかし当時、県は同橋の施工に着手済みで、耐震性能を新基準に適合させずに完成させた。