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落札した工事が全会一致で否決

 男性の不正行為は、奈良新聞の22年6月2日の報道で明るみに出た。報道を受け、男性が経営する野村建設が落札した工事にも影響が及んだ。同社を代表とするJVが5月20日に1億1738万9000円(税抜き)で落札した「広瀬川調整池整備工事(1工区)」だ。予定価格5000万円以上の工事契約は議会の承認が必要なため、6月定例議会に工事請負契約案を提出していた。

 契約案は全会一致で否決された。条例を違反した人物が社長を務める会社が町と多額の請負契約を締結することを議員が問題視した結果だ。加えて、議会では「でき得る限り厳しい入札参加停止措置」や「野村建設が6月に落札した2件の公共工事への対応」を町に要求することを決議した。

広陵町の6月定例議会で提出された議案書。広陵町の資料に日経クロステックが加筆
広陵町の6月定例議会で提出された議案書。広陵町の資料に日経クロステックが加筆
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 町は、役員などが禁錮以上の刑を受けたかどうかを入札参加停止の措置を取る1つの基準としている。ただ、町長が入札参加停止を必要と認めた場合はその限りではない。男性の条例違反は禁錮以上の刑でなかったものの、決議を重く受け止めた町は、野村建設の入札参加停止措置に踏み切った。

 一方で町は、同社のこれまでの入札参加に問題はなかったとの考えを示す。野村建設が6月に落札した2件の工事は、いずれも予定価格5000万円以下なので議会に契約案を諮らない。町は、同社との契約を解除せず、そのまま工事を進める方針だ。