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修復工の効果も確認できる

 東芝は福岡北九州高速道路公社(福岡高速)と技術の妥当性を確認する実証実験を実施。22年1月から2月にかけて福岡高速1号線で、健全度マップが示した位置に本当にひび割れがあるかどうかを確認した。

 実証実験では、まず幅員方向が4m、車両通行方向が1mのエリアに18個のセンサーを設置し、2時間分のデータを採取。その結果得られた健全度マップを踏まえて4カ所で削孔調査を実施した。健全度がやや低いとの解析結果だった位置には幅0.2mmのひび割れがあり、開発した技術による評価の妥当性を検証できた。

健全度マップの評価の妥当性を削孔調査で確認した。東芝の資料に日経クロステックが加筆
健全度マップの評価の妥当性を削孔調査で確認した。東芝の資料に日経クロステックが加筆
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 この他、これまで定量的に確認する方法がなかった床版内部の修復工の効果も、開発した技術の実証実験で確認した。20年8月から10月にかけて福岡高速2号線で、補修前と補修後の床版のデータを採取し、解析結果を比べた。

 その結果、ひび割れ注入工法によって、表面のひび割れだけでなく、内部にあったひび割れもしっかりと補修できていることが確認できた。

補修前後で健全度の回復状況を開発した可視化技術で確認できた。東芝の資料に日経クロステックが加筆
補修前後で健全度の回復状況を開発した可視化技術で確認できた。東芝の資料に日経クロステックが加筆
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 道路橋の場合、タイヤが通行する箇所はある程度片寄るため、発生する振動の大きさも場所によってばらつきが生じる。

 東芝研究開発センター知能化システム研究所機械・システムラボラトリーの渡部一雄フェローは、「実証実験では、輪荷重の載荷位置の片寄りが発生源分布の解析に与える影響はみられなかった」と話す。

 コンクリートと鉄筋という、材料の違いによる振動の伝わり方の変化も、コンクリートに対して鉄筋の占める割合が小さいため、解析結果には影響しないことが分かった。

 これまでの実証実験の対象は、いずれも高速道路橋の一般的な規格の床版だ。厚さなど諸条件が異なる床版でも技術を適用できるかどうかを、今後も福岡高速との実証実験で確認していく方針だ。

 「予防保全のための調査や補修効果の定量的な確認で使える技術だ。まずは知ってもらい、各事業者のニーズに合わせてサービスを展開していきたい」(渡部フェロー)