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 空港の管理で滑走路の点検の効率化につながると期待されるMMS(モービル・マッピング・システム)の活用が進んでいない。自治体が管理する地方管理空港などで、滑走路の点検にMMSを導入しているのは2割余りにとどまる。導入効果に確信を持てない空港が多いようだ。財務省が2022年7月26日に公表した国の事業に関する予算執行調査で明らかになった。

空港の滑走路の点検に関する従来手法とMMS(モービル・マッピング・システム)との比較(資料:財務省)
空港の滑走路の点検に関する従来手法とMMS(モービル・マッピング・システム)との比較(資料:財務省)
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 MMSとは、レーザースキャナーやGNSS(全球測位衛星システム)、カメラなどセンシング装置を搭載した車両を走行させながら計測し、3次元点群データを取得する技術のこと。道路の形状や路面の状態などを高精度で効率的に把握できる。

 空港の滑走路の管理では通常、舗装面のひび割れやわだち掘れ、段差などを調べる路面性状調査に加え、規定勾配への路面の適合を確認する6年に1度の定期点検測量を実施している。MMSを導入すれば、センシング装置を搭載した車両を走行させるだけで、これまで人の手に頼ってきた両方の計測を同時に行える。

 空港管理の省人化とコスト削減が見込まれることから、国が管理する18空港では18年度以降、全ての空港で滑走路の点検にMMSを導入している。そこで、財務省の予算執行調査では、21年度末までに路面性状調査と定期点検測量を同時に実施した6空港を対象に、省人化とコスト削減の観点からMMSの導入効果を検証した。

 財務省はまず、6空港の点検業務の受注者にヒアリングを実施。路面性状調査と定期点検測量の外業(野外作業)に要する人員について、従来方法とMMSを比較した。その結果、MMSが従来方法よりも6空港平均で8.6%少なかった。次いで、両方の業務に要する費用を積算して価格を比較したところ、MMSが従来方法よりも同9.7%低かった。

 財務省は、国管理空港で省人化とコスト削減の導入効果を確認できたことから、地方管理空港などでも滑走路の点検にMMSを導入すべきだと判断。自治体管理の77空港を対象に、MMSの導入状況などを尋ねるアンケートを実施した。