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 環境省は、福島第1原子力発電所の事故に伴う除染作業で発生した放射性物質を含む「除去土壌」を道路盛り土や駐車場の造成に用いる実証事業に着手する。2023年度をめどに実証の成果をまとめ、公共工事で除去土壌の活用につなげたい考えだ。

 22年8月3日に「中間貯蔵施設における除去土壌等の減容・再生利用方策検討ワーキンググループ(座長:勝見武・京都大学大学院教授 )」の会合を開き、計画案を示した。

除去土壌の処理フロー。中間貯蔵施設で保管を始めてから30年以内に最終処分しなくてはならない。処分量を減らすため、一部を公共事業で利用する計画だ(出所:環境省)
除去土壌の処理フロー。中間貯蔵施設で保管を始めてから30年以内に最終処分しなくてはならない。処分量を減らすため、一部を公共事業で利用する計画だ(出所:環境省)
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 実証事業のうち道路盛り土は、福島県内で除去土壌を保管する「中間貯蔵施設」の敷地内に施工する。除去土壌を用いて、実際の道路盛り土を想定した高さ5m、天端幅10.5mほどの大きさで盛り土を構築する計画だ。1日当たり4000~2万台が通行する歩道付きの2車線道路を想定。22年10月をめどに設計や施工方法を整理し、3カ月ほどかけて造成する。

 完成後は放射線量のモニタリングなどを実施する。取り組みの成果は、除去土壌の再生利用に関する手引としてまとめる。

実証事業で計画する盛り土のイメージ(出所:環境省)
実証事業で計画する盛り土のイメージ(出所:環境省)
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 駐車場や広場、花壇といった公共施設については、福島県外での利用を検討する。例えば駐車場に用いる実証事業では、路床として除去土壌の粒度などを整えた「再生資材」を厚さ1m敷き詰める。その上にかぶせる覆土の厚さや、基層の材料などを変えた4パターンを試す。23年度に施工し、放射線量などを計測する。

公共の駐車場の路床に除去土壌を用いる実証事業の検討内容。4パターンで施工し、施工時・施工後の放射線量などをモニタリングする(出所:環境省)
公共の駐車場の路床に除去土壌を用いる実証事業の検討内容。4パターンで施工し、施工時・施工後の放射線量などをモニタリングする(出所:環境省)
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