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 政府は、厚生労働省が担ってきた水道施設の整備・管理業務を国土交通省に移管する。新型コロナウイルス感染症への厚労省の対応力強化に向けた組織改革の一環だ。2023年の通常国会に関連法案を提出し、24年4月から新体制に移行する。

国土交通省が入る東京・霞が関の庁舎(出所:日経コンストラクション)
国土交通省が入る東京・霞が関の庁舎(出所:日経コンストラクション)
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 22年9月2日に首相官邸で開いた新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で決定した。今後の感染危機に備える対策に、水道行政の移管を盛り込んだ。

 対策本部は22年6月17日の会合で、厚労省の生活衛生業務の一部を他府省庁に移管する方向性を示していた。今回の会合では、その方向性を具体化した。

 危機対策では、厚労省の組織改革として、健康局に感染症対策部を設置する他、食品衛生に関する規格や基準の策定を消費者庁に移管する。

 水道行政に関しては、管路や浄水場といった施設の整備や管理などを国交省に、水質基準の策定などを環境省に、それぞれ移管する。環境省は、水質・衛生業務で国交省と協議。両省が協力して、水道の安全・安心の確保に取り組む。

 国交省は、水道事業の経営基盤の強化、施設の老朽化対策や耐震化への対応、災害発生時における復旧支援、渇水への対応など、水道行政の大半を引き継ぐ。施設整備や下水道運営、災害対応などで培った経験や知見、技術を生かし、水道行政の課題の解決に当たる。

 水道事業を担っている自治体では、上下水道局のように、上下水道一体の組織を設けているケースが珍しくない。国交省が水道業務を担当することで、国も同様の体制を整えられる。地方整備局などを通じた自治体との連携も図りやすい。

 国交省では、下水道部門を擁する水管理・国土保全局が主体となって、水道業務を展開する可能性がある。斉藤鉄夫国交相は9月6日の会見で「厚労省、環境省とも連携しながら、組織の在り方の議論も踏まえて準備を進めていきたい」と語った。

水道施設のイメージ(出所:厚生労働省)
水道施設のイメージ(出所:厚生労働省)
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