全1554文字

 鹿島とNECは、自動化施工システム「A4CSEL(クワッドアクセル)」の普及を目指す新会社「KNC Planning(ケイエヌシープランニング)」(東京・港)を共同で設立した。設立日は2022年8月10日だ。重機の自動運転や施工計画の自動立案といった技術から成る同システムによって、建設現場の人手不足の緩和を図る。

 KNC Planningは、鹿島が開発したクワッドアクセルに関する技術を、主に下請けの施工会社や準大手以下の建設会社に提供するための事業を検討する準備会社だ。市場調査やパートナー企業の選定、事業スキームの整理などを進め、23年度以降に営利目的の事業会社への移行を予定する。

自動化施工システムの導入による効果のイメージ。わずかな人数で複数の重機を動かせるようになる。重機オペレーターなどの人手不足の緩和や、建設現場の生産性・安全性の向上を見込む(出所:鹿島)
自動化施工システムの導入による効果のイメージ。わずかな人数で複数の重機を動かせるようになる。重機オペレーターなどの人手不足の緩和や、建設現場の生産性・安全性の向上を見込む(出所:鹿島)
[画像のクリックで拡大表示]

 クワッドアクセルは、重機の施工計画を自動で立案したり最適化したりするシステムと、重機の自動運転や遠隔操縦を管制するシステムを中心に構成する。人手不足が深刻化する建設現場の状況を踏まえ、従来、重機を扱う下請けの施工会社などが担っていた一連の作業を自動化した。

 新会社が検討する事業イメージの一例が、施工会社に代わって重機を運用するパターンだ。事業会社やパートナー企業が、現場で動かす自動運転の重機を管制するといった手法があり得る。大規模な現場では、クワッドアクセルのシステムごと提供して運用を任せるパターンも考えられる。

 クワッドアクセルの技術の一部に限った提供についても、その可能性などを検討する。施工会社によっては、「施工計画を立案するシステムだけを使いたい」といった要望があるかもしれない。そうしたニーズを探る。

 「(クワッドアクセルを構成する)技術の一つ一つが個別に役に立つ場合もあるのではないか」。KNC Planningの取締役に就任した鹿島技術研究所の三浦悟プリンシパル・リサーチャーは、こう話す。

クワッドアクセルを構成するシステムの概要。施工計画を立案するシステムと、重機を管制するシステムの2つを連携させて自動化施工を実現する。重機同士の連携を最適化するプログラムやブルドーザーを細かく制御するシステムなど数多くの要素技術を含む(出所:鹿島)
クワッドアクセルを構成するシステムの概要。施工計画を立案するシステムと、重機を管制するシステムの2つを連携させて自動化施工を実現する。重機同士の連携を最適化するプログラムやブルドーザーを細かく制御するシステムなど数多くの要素技術を含む(出所:鹿島)
[画像のクリックで拡大表示]