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 炭酸水に浸すだけでCO2の固定化と「廃コンクリート」の再資源化を同時に実現できる「カーボンプール(CP)コンクリート」。その実用化に向けて、安藤ハザマと大成ロテック、内山アドバンス(千葉県市川市)は2022年8月31日、初めての現場打ち試験を東京都内で実施した。

生コン車でCPコンクリートを現場まで運搬してきた(写真:日経クロステック)
生コン車でCPコンクリートを現場まで運搬してきた(写真:日経クロステック)
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 CPコンクリートは、セメント焼成工程などで生じるCO2をセメントの水和生成物に固定化し、再生骨材として用いる環境配慮型のコンクリートだ。水和生成物を、CO2のナノバブル(超微細気泡)を持つ炭酸水に浸すことで、炭酸カルシウム化してCO2を固定化する。水和生成物を含む粒状化した廃コンクリートにこの技術を適用すれば、CO2を固定化した炭酸カルシウムを多く含む再生骨材として利用できる。

 今回の現場打ち試験でCPコンクリートを打設したのは、専門学校の敷地内にある面積21m2の通路だ。その半分の表層に厚さ5cmで打設した。生コンクリートの製造・運搬を内山アドバンス、CO2の固定化処理を安藤ハザマ、施工を大成ロテックがそれぞれ担当した。

固まる前のCPコンクリート。安藤ハザマの実験施設でCO2を固定化した骨材を用いた(写真:日経クロステック)
固まる前のCPコンクリート。安藤ハザマの実験施設でCO2を固定化した骨材を用いた(写真:日経クロステック)
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 CPコンクリートを用いた場合でも、一般的なアスファルト舗装と同様の工程で支障なく施工できることを確認した。施工して即日、コンクリート舗装の上を歩行できた。通常の生コンでは硬化に時間がかかり、1週間程度の養生期間が必要だ。

CPコンクリートによる表層の打設。基層の打設直後に実施した(写真:日経クロステック)
CPコンクリートによる表層の打設。基層の打設直後に実施した(写真:日経クロステック)
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 「将来的にはアスファルト舗装と同様に、即日開放して車両の通行ができるように研究を進めていく」。大成ロテック技術研究所の渡邊清隆・知財戦略室長は、こう話す。即日開放できるようになれば、災害時の早期復旧につながる。

 現場打ち試験の流れは、次の通りだ。まず路床改良を施して、その上に路盤材を敷いて準備しておく。そこに、粒状化した骨材を含む生コンを現場に運搬し、造粒剤を添加したうえで、基層として2.4m3打設。続いて、表層にCPコンクリート1.2m3を打設した。今回のCPコンクリートに使った骨材は試験用に準備したもので、廃コンは原料としていない。

専門学校の敷地内にある面積21m2の通路で実施した現場打ち試験の様子(写真:日経クロステック)
専門学校の敷地内にある面積21m2の通路で実施した現場打ち試験の様子(写真:日経クロステック)
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