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4回目の変更で5億円超に

 3回目は、21年9月3日。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、県外からの労働者の確保が困難となり、2回目で延長した21年9月30日までの工期内の完成が厳しくなった。そのため、工期を22年3月24日まで、さらに半年ほど延長した。

 4回目は、22年3月11日。千曲川の小坂橋上と黒沢川の原で経費が増え、工費を5億262万3000円へと9000万円近く増額した。

 小坂橋上では、2回目と同様に労働者の確保に要する滞在費の他、新型コロナの影響による工期延長で機械のリース代などが増加。原でも、2回目と同様の労働者と資材の調達難に伴う経費の他、残土処理費や既存ブロックの撤去費、新型コロナの影響によるリース代などが増えた。

 この4回目の変更で、契約額が県議会の議決が必要な5億円以上になった。しかし佐久建設事務所はそれに気づかず、議会議決を経ずに変更契約を締結。1週間後の3月18日に竣工検査を行い、1カ月後の4月13日に守谷商会JVへの支払いを済ませた。

 9月に入って、県監査委員事務局が佐久建設事務所の予算執行状況を調査した際に、問題が発覚した。

 佐久建設事務所では、災害復旧課(当時、現在は整備課)が工事を、総務課工事事務係が契約を、それぞれ担当していた。契約変更は、災害復旧課から総務課を経て、最終的に所長が決済した。両課とも係長と課長がチェックしていた。

 今回の問題では、それらのいずれの段階でも契約額が議会議決の必要な5億円以上になったことを見落とした。県河川課によると、当初の契約額が5億円を下回っていたことがミスにつながった可能性がある。

 そのため、県河川課は設計変更ガイドラインなどを改定し、当初の契約額が5億円未満の案件でも、設計変更などで契約額が5億円以上になった場合は議会の議決が必要なことを改めて周知。併せて、工事事務管理システムを改修し、契約額が5億円以上になった場合にアラートを出すなどチェック機能を強化する。

千曲川の小坂橋上の護岸復旧工事。右が完成時の様子(写真:長野県)
千曲川の小坂橋上の護岸復旧工事。右が完成時の様子(写真:長野県)
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