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日本建設業連合会は、会員企業に所属する労働者のうち非管理職の半数近くが2021年度に年間360時間を超える時間外労働をしていたと明らかにした。24年度に建設業で始まる残業規制で定められた上限時間の原則を上回る。約3割は、年720時間以内といった特例基準も超過していた。22年9月21日に調査報告書を公表した。
19年度に施行された改正労働基準法では、労働者の時間外労働を原則として月45時間以内かつ年360時間以内に抑えるよう求めている。労使協定を結んだ場合でも、年720時間以内などの特例基準を守らなければならない。建設業は施行から5年の猶予期間があるため、24年度から規制が始まる。違反した場合、罰金などのペナルティーが科される。
日建連の調査によると、21年度の時間外労働が年360時間以内に収まった非管理職の労働者の割合は51%で、19年度に比べて3ポイント上昇した。ただし、月45時間以内の基準も同時に満たしたのは39.3%にとどまる。年720時間以内などの特例基準を超過した非管理職の労働者の割合は28.6%だった。
上限規制の対象外となる管理職については、59%の時間外労働が年360時間以内だった。ただし、時間外労働の年間平均の推移では、非管理職が21年度までの5年間で52時間減ったのに対して、管理職はほぼ横ばいだった。