国土交通省関東地方整備局は、富山市の官製談合を巡る訴訟でパシフィックコンサルタンツ社員の有罪判決が確定したことを受け、同社の建設コンサルタント登録を2022年10月21日から60日間停止する。この談合事件で当時の取締役と従業員の2人が有罪となったGK設計(東京・豊島)は、登録を22年10月21日から120日間停止する。関東地整が22年10月7日に発表した。
建設コンサルタント登録は、資格者や資産に関する一定の要件を満たした建設コンサルタント会社を登録する国交省の制度。「河川、砂防および海岸・海洋」や「道路」など21の部門ごとに登録する。
両社とも登録している全部門を停止する。両社の本社所在地を所管する関東地整が停止措置を講じるが、適用範囲は地域を問わない。国交省の他、多くの自治体がコンサル登録を入札の参加要件に採用している。こうした入札に、登録停止期間中は参加できない。
ただし、建設業法に基づく建設業許可と異なり、コンサル登録は任意の制度なので、登録していなくてもコンサル業務を行うことは可能だ。登録を入札参加の要件に採用していない発注者の業務は受注できる。
不正があったのは、富山市が19年に発注した呉羽丘陵フットパス連絡橋の設計業務などのプロポーザルだ。市の建設部次長(肩書は当時、以下同じ)から秘密情報を入手したとして、パシフィックコンサルタンツのイノベーション事業本部総合プロジェクト部副部長、GK設計の都市環境デザイン部シニアディレクターと取締役関西事務所所長が22年1月24日に逮捕された。情報を漏洩した建設部次長も同日に逮捕されている。
その後、4人は起訴され、22年6月29日までに副部長とシニアディレクターは懲役1年(執行猶予3年)、関西事務所所長は10月(同)、建設部次長は1年6月(同)の有罪判決を受けた。いずれも控訴せず、刑が確定している。