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東京外かく環状道路(外環道)の大深度トンネル工事に伴う地上の陥没事故で、発注者の東日本高速道路会社は緩んだ地盤の補修工事を2023年春以降に実施する。早ければ22年11月に、プラント設備や材料の輸送管の設置に着手する。東日本高速が22年10月7日、東京都調布市内で開催した住民説明会で工事の概要を公表した。
地上から高圧噴射撹拌(かくはん)工法で地盤を改良する。地下3~7mより深い位置にある砂層「東久留米層」に空気とセメント系固化材を高圧で噴射し、直径約3m、高さ約40mの円筒形の改良体を形成する。補修範囲の延長は、掘削済みのトンネルに沿って約220m。幅はシールド機の外径と同じ約16mだ。施工の順序や改良体の数などはまだ決まっていない。
補修現場は道路が狭い住宅地にあり、大型車両の通行が難しい。そのため、固化材の原料や発生泥土を車両で搬入・搬出するためのプラントヤードを現場北側の甲州街道沿いに設け、現場とヤードの間は輸送管を介して運ぶ。現場から近くを流れる入間川の河道上を経由して、プラントヤードまで管路を約300m延ばす。
輸送管の設置や地盤補修の作業は平日の午前8時から午後5時の間に進める。東日本高速は地盤補修に2年程度かかると見込む。今後、補修範囲の外側にある地盤でシールド掘進による緩みが見つかれば、追加の地盤改良を検討する。東名ジャンクション(JCT)側から発進して陥没事故を起こした南行き本線トンネルのシールド機の掘進再開は、早くても25年以降となりそうだ。