全1273文字
PR

 AI(人工知能)開発を手掛けるDeepX(東京・文京)は地下の掘削工事の状況をリアルタイムに「デジタルツイン」として再現する施工管理システムを開発した。仮想空間上で作業中のショベルや掘削する地山の形状を自由な視点で地上から見えるようにして、遠隔でショベルを操縦するオペレーターの作業効率を高める。開発に当たっては、オリエンタル白石の協力を得た。

奥のディスプレーが「DeepX GeoViz for Caisson」の表示画面。ニューマチックケーソン工法で地山を掘削する重機を遠隔から操縦する際、作業員が任意の視点でショベルの刃先や地山を確認できる。手前のディスプレーは現場に取り付けたカメラによる映像。写真は茨城県つくば市にあるオリエンタル白石の拠点での模擬施工の様子(写真:日経クロステック)
奥のディスプレーが「DeepX GeoViz for Caisson」の表示画面。ニューマチックケーソン工法で地山を掘削する重機を遠隔から操縦する際、作業員が任意の視点でショベルの刃先や地山を確認できる。手前のディスプレーは現場に取り付けたカメラによる映像。写真は茨城県つくば市にあるオリエンタル白石の拠点での模擬施工の様子(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]
手前右のディスプレーが「DeepX GeoViz for Caisson」の表示画面。任意の視点で現場を確認できる。ショベルで地山を掘削する様子を、現場に設置したカメラの映像(手前・奥それぞれ左のディスプレーに表示)と比べて遜色なくリアルタイムに再現できる(動画:日経クロステック)

 開発したシステムは「DeepX GeoViz for Caisson(ディープエックス・ジオビズ・フォー・ケーソン)」。圧縮空気を送り込んだ地下空間を下方に掘削しながら、橋梁やダムの基礎に用いるコンクリート製の躯体(くたい)を沈下させる「ニューマチックケーソン工法」に使う。2022年7月にオリエンタル白石が手掛ける国内の施工現場に導入した。

オリエンタル白石がニューマチックケーソン工法で施工する国内の現場。2022年7月に「DeepX GeoViz for Caisson」を導入した(写真:オリエンタル白石)
オリエンタル白石がニューマチックケーソン工法で施工する国内の現場。2022年7月に「DeepX GeoViz for Caisson」を導入した(写真:オリエンタル白石)
[画像のクリックで拡大表示]

 同システムでは各種センサーなどで現場を計測してリアルタイムに処理し、ショベルや地山の3次元イメージを別々に色分けして表示する。ショベルには地山の形状を計測するLiDAR(ライダー)センサーの他、ショベル自体やアームの位置・姿勢を把握するためのレーザー距離計、油圧の流量計、ロータリーエンコーダーを取り付けた。

ショベルには地山の形状を計測するLiDAR(ライダー)センサーの他、ショベル自体やアームの位置・姿勢を把握するためのレーザー距離計、油圧の流量計、ロータリーエンコーダーを取り付けた(写真:日経クロステック)
ショベルには地山の形状を計測するLiDAR(ライダー)センサーの他、ショベル自体やアームの位置・姿勢を把握するためのレーザー距離計、油圧の流量計、ロータリーエンコーダーを取り付けた(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 ニューマチックケーソン工法は、高圧となる地下空間での滞在が制限される。そのため、現場に取り付けたカメラ映像を使った地上からの遠隔操縦が早くから普及。だが視点が限られる複数のカメラ映像を基にショベルのアームやバケットを動かし、高い精度で地山を掘削するのは熟練を要していた。開発したシステムでは、オペレーターが任意の視点を複数表示させて重機と地山の位置を確認しながら操縦できる。地山の指定した高さよりも上にある部分を色分けする機能を備え、掘削すべき箇所も分かりやすい。経験の浅いオペレーターでも操縦しやすくなった。

地山の指定した高さよりも上にある部分を色分け表示して、掘削すべき箇所をオペレーターが判断しやすくする(画像:DeepX)
地山の指定した高さよりも上にある部分を色分け表示して、掘削すべき箇所をオペレーターが判断しやすくする(画像:DeepX)
[画像のクリックで拡大表示]