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 政府は安全保障の観点からインフラ整備を支援するため、従来の公共事業関係費とは別に省庁横断の「特定枠」を2024年度予算で設ける考えだ。防衛力の「抜本的強化」に向けて、5年以内に国内総生産(GDP)比2%以上への防衛費増額を目指すとした骨太の方針を受けて、新たな予算制度を打ち出した。特別枠の設定は、「抜本的強化」が終わる27年度まで続ける予定だ。政府が22年11月9日に開いた有識者会議で明らかにした。

特定枠の運用手順。安全保障の観点から公共インフラの整備を支援する(出所:内閣官房)
特定枠の運用手順。安全保障の観点から公共インフラの整備を支援する(出所:内閣官房)
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 新たな予算制度の対象は、国や自治体が管理する空港や港湾施設と、そこへアクセスする高規格道路だ。台湾有事の際に戦場となる恐れが高い沖縄県の南西諸島にある施設を「特定重要拠点空港・港湾」(仮称)に指定。国土交通省や防衛省などが協議して、対象事業を決める。事業実施は国交省が担う予定だ。

 この制度を通じて、公共インフラの機能を自衛隊が利用できる水準に高める。南西諸島の空港は、自衛隊機が利用するには滑走路の長さが足りない他、機体の重さに耐える舗装の厚さがない。自衛隊の新型輸送機C-2は機体が大きいので、宮古島と石垣島の空港にしか離着陸できない。港湾も自衛隊の艦艇の入港に必要な水深に足りていない。

鳥取県米子市の米子鬼太郎空港に着陸する自衛隊の新型輸送機C-2。機体は全長43.9m、全幅44.4m。同空港の滑走路は民間機と自衛隊機が共同利用する(写真:日経クロステック)
鳥取県米子市の米子鬼太郎空港に着陸する自衛隊の新型輸送機C-2。機体は全長43.9m、全幅44.4m。同空港の滑走路は民間機と自衛隊機が共同利用する(写真:日経クロステック)
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