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 鹿児島市を流れる2級河川の甲突(こうつき)川について、避難指示を出す目安となる「氾濫危険水位」の情報が誤って発信された。川に架かる橋に設置された水位計が、橋の塗り替え工事の吊り足場を水面と誤検知した。民間の気象情報サービスにも誤った水位情報が配信された。

栄門橋に設置された電波式の水位計(写真:鹿児島県)
栄門橋に設置された電波式の水位計(写真:鹿児島県)
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 鹿児島県河川課が2022年11月16日、管理システム上で甲突川の観測点のうち「岩崎橋」だけで水位が異常に上昇しているのを確認した。氾濫危険水位5.44mに対して、計測水位は午前10時50分に6.49m、午前11時半には6.54mに達した。

 水位データは管理システムのWebサイト上で公開された。南日本放送(鹿児島市)は11月16日、民間会社の気象情報アプリにも水位情報が配信されたと報じた。

 当時、鹿児島市内で雨は降っておらず、河川課は正しい水位情報ではないと判断してWebサイトへの掲載を取りやめた。管理システム上では岩崎橋の水位情報の更新を停止した。

鹿児島県河川砂防情報システムの公開画面。甲突川の栄門橋に設置した水位計(観測地点の名称は1本上流側に架かる「岩崎橋」)では誤検知が起こった2022年11月16日、計測情報の更新を停止した(画像:鹿児島県)
鹿児島県河川砂防情報システムの公開画面。甲突川の栄門橋に設置した水位計(観測地点の名称は1本上流側に架かる「岩崎橋」)では誤検知が起こった2022年11月16日、計測情報の更新を停止した(画像:鹿児島県)
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 岩崎橋の水位情報は500mほど下流にある栄門橋に設置した水位計で計測している。確認したところ、橋桁の下に組み立てた吊り足場が張り出していることが判明した。誤検知があった11月16日には、鹿児島市から塗り替え工事を受注した施工会社が取り付けを進めていた。

2022年11月16日、栄門橋では橋桁の下で吊り足場の取り付けを進めていた(画像:鹿児島県)
2022年11月16日、栄門橋では橋桁の下で吊り足場の取り付けを進めていた(画像:鹿児島県)
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 水位計は水面に向けて照射した電波の反射波を計測して水位を測る方式だ。県は水位計が足場の反射波を受信したとみている。