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東京外かく環状道路(外環道)の大深度地下トンネル工事で、東京都練馬区の大泉ジャンクション(JCT)側からシールド掘進工事が始まる。2022年12月8日に事業用地の外へ出るための作業に着手し、練馬区から東京都武蔵野市まで掘り進める。大深度地下での本格的なシールド掘進は20年10月に調布市で地表の陥没事故が起こって以来、約2年ぶり。
トンネル工事を発注した中日本高速道路会社などが22年12月1日に発表した。掘進を始めるのは大泉南(北行き)トンネル。大成建設・安藤ハザマ・五洋建設・飛島建設・大豊建設JVが泥土圧シールド機で約7kmを掘る。
シールド機は19年1月に発進し、事業用地の端から約30m手前まで約1.2km掘り進んで停止している。現在の土かぶりは約25mで、約700m掘り進めると大深度地下の区間に到達する。
シールド機は東日本高速道路会社が発注した東名北(南行き)工事で陥没事故が起こって以来、停止していた。21年7月から11月まで、シールド機と周辺の改良地盤の固着を防ぐために135mだけ掘進した。
その後、21年12月に国土交通省がシールド工事の調査や設計、施工に関するガイドラインを策定。中日本高速はこれを基に、複数の添加材の準備や掘削状況のモニタリングといった事故防止策をまとめた。
シールド機が通過する練馬区や杉並区、武蔵野市では22年2月から6月にかけて、掘進ルート周辺で追加のボーリング調査を実施。陥没事故の発生場所とは地質が異なることを確認した。22年11月に掘進地域の住民向けに説明会を開き、掘進再開への準備に着手した。