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福島県は、地震が発生した場合の被害想定を1998年以来、24年ぶりに見直した。前回より規模の大きな地震を想定したこともあり、人的・物的被害が大幅に増加した。県が2022年11月25日に発表した。
県は、県西部の会津地方や県北部、太平洋沖の他、各市町村直下を震源とする地震を想定。発生時期を冬の午前5時、夏の正午、冬の午後6時の3パターンに分け、それぞれの地震について死傷者や建物などの被害量を推計した。
被害想定によると、建物の被害が最も大きいのは会津地方の「会津盆地東縁断層帯」を震源とするマグニチュード(M)7.7の地震が冬の午後6時に起きた場合で、3万5970棟が全壊・焼失する。前回の想定だと、同じ地方を震源とする地震(M7.0)による建物の倒壊・大破・焼失は1万2236棟だった。
太平洋沖が震源の地震(M9.0)でも建物の全壊や焼失が最大で3万棟を超える想定だ。被害を受けた上水道などのライフラインや建物、交通施設の復旧に必要な費用は8兆円に達する恐れがある。冬の午後6時に発生した場合、死者は1651人に上る。これは、11年の東日本大震災の地震や津波による直接死数1605人を上回る数だ。