厚生労働省は、週休2日制の導入を目指す中小の建設会社を支援する新たな助成制度を設ける。労務に関する研修の受講や生産性向上に資する機材の導入といった働き方改革に要する費用について、会社が4週5休~4週8休の間で設定した目標に応じて最大100万円を支給する。2023年4月をめどに申請の受け付けを開始する予定だ。
建設業は、24年度から時間外労働の罰則付き上限規制の対象になる。車の運転手や医師も同様だ。これらの業種を対象として、厚労省がこれまで運用してきた「働き方改革推進支援助成金」を拡充。それぞれの業種の実態に応じた支援策を設ける。建設業の支援対象は、従業員が300人以下または資本金が3億円以下の中小企業だ。
建設会社に対しては、週休2日の実現に向けた取り組みを重点的に支援する。助成金を申請する会社は、あらかじめ1カ月の休日日数の目標と、働き方改革の取り組み内容を示す。4週4休を基準として1カ月の休日を1日増やすごとに、助成金額の上限が25万円ずつ上乗せされる仕組みだ。期日時点での目標達成状況を踏まえて、原則として働き方改革に要した費用の75%と助成金額の上限のうち低い方の金額の助成を受ける。
時間外労働の上限などについて会社と労働者の間で交わす「36(サブロク)協定」の見直しも目標として設定できる。例えば、36協定で時間外労働の上限を月80時間以上に設定している会社が上限を60時間以下に改める場合、最大250万円が助成される。
全国建設業協会が会員企業の現場の休日設定について22年7月時点の状況を調べたアンケートによると、「おおむね4週8休(週休2日)」と答えた割合は22.1%にとどまる。4週6休以下が過半を占めた。36協定による時間外労働の上限に関しては、約7割が年360時間以下(月平均30時間以下)に設定していると回答。一方、720時間以上(月平均60時間以上)としている企業は12.1%に上った。新たな助成制度は、こうした状況の改善に向けて一定の効果を期待できそうだ。