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 大林組とJFEエンジニアリングは2023年1月10日、インドネシアの首都ジャカルタ特別州における初めての大規模な下水処理場建設プロジェクトを受注したと発表した。受注額は約307億円。工期は同年1月から27年6月までを予定している。

 日本政府の円借款事業によるもので、現地企業のウィジャヤ・カリヤ・ペルセロおよびジャヤ・コンストラクシ・マンガラ・プラタマを含む4社で、共同企業体(JV)を組む。発注者はインドネシア公共事業・国民住宅省居住総局だ。

下水処理場の完成イメージ(出所:大林組、JFEエンジニアリング)
下水処理場の完成イメージ(出所:大林組、JFEエンジニアリング)
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 今回、大林組などが受注したのは、北ジャカルタ市と西ジャカルタ市、中央ジャカルタ市の3市にまたがる「第1工区」の下水処理場だ。同エリアは、ジャカルタ特別州の中心部に当たる。

 商業施設が多く人口密度が高いことから、下水処理場を建設するための用地に制約が多い。排水のろ過(分離)に特殊な膜を用いて、省スペースで効率的な下水処理が可能な「膜分離活性汚泥法(MBR)」を採用する。最終沈殿池の代わりに、膜で固液分離を行う排水処理技術だ。

 日本で実績があるケーソンと呼ばれる函(はこ)を自重で沈下させて設置する「ニューマチック無人化ケーソン工法」を、インドネシアで初めて採用。設計から建設までフルターンキーで請け負い、質の高いインフラ輸出を実現するとしている。

 下水処理場の処理水量は、24万m3/日(計画人口124万人)。完成から3年後には、同工区における下水道サービス普及率が現在(17年実績値)の0%から80%に高まる見通しだ。