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 清水建設は、水平・鉛直の両方向を切断できるユニット型のワイヤーソー切断装置を使い、鋼橋の合成桁でコンクリート床版を効率的に切断・撤去する新工法「床版クールカット工法」を開発した。従来工法より、撤去工事にかかる時間を約2割短縮できる。

 高速道路で多用されている鋼橋の合成桁では、鋼桁と一体化したコンクリート床版部分を更新などの目的で撤去する際、鋼桁と床版の切断に取り掛かる前に、まず桁間の床版を撤去する必要があった。 新たに開発した工法では、同社のユニット型ワイヤーソー切断装置「基礎躯体クールカット」を使うことで、この桁間床版の先行撤去という作業を省く。

床版切断装置の写真(写真:清水建設)
床版切断装置の写真(写真:清水建設)
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 基礎躯体クールカットは、基礎構造体のブロック切断の効率化を目的に開発。部材を縦方向に切断する押し切り機能と、部材下面を水平切断する引き切り機能を切り替えられる。これにより、鋼桁とコンクリート床版との接合部分を水平に切断し、床版全体を一定サイズのブロックとして切り出すことが可能となり、撤去プロセスの効率化につながる。