清水建設を代表企業とする共同企業体(JV)がフィリピンで建設を進めている、同国初の「マニラ首都圏地下鉄工事」において、シールド工法によるトンネル掘削工事がスタートした。2023年1月9日、フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領らが臨席し、シールド機の発進式が行われた。JVの構成員は、清水建設とフジタ、竹中土木、フィリピンの大手建設会社EEIの4社である。
マニラ首都圏地下鉄事業は、首都圏北部ケソン市のミンダナオ通りとニノイ・アキノ国際空港が位置する南部パラニャーケ市のウェスタンビクタンを結ぶ、全長33.1kmの路線だ。17の駅と車両基地が整備される。
JVは、北端の車両基地からノースアベニュー駅に続く、延長7.3kmの先行開業予定エリア「CP101工区」の施工を担当している。車両基地と3つの駅舎(キリノハイウェイ駅、タンダンソラ駅、ノースアベニュー駅)および、それらを結ぶシールドトンネルを建設する。
工事は21年8月にスタートしており、これまでに車両基地の建築工事と地下移行部の開削トンネル工事、各駅舎の地下躯体(くたい)工事を行った。
シールドトンネル工事には、6機の泥土圧シールド機を使用する。内径6.1mの地下鉄トンネル6本を構築し、総延長は9.5kmになる。1月9日に発進したシールド機は、車両基地の発進立坑からキリノハイウェイ駅に向かう2機だ。
今後、タンダンソラ駅から南北に向かって、それぞれ2機のシールドマシンが順次発進していく。キリノハイウェイ駅とタンダンソラ駅の間と、タンダンソラ駅とノースアベニュー駅の間の上下線トンネルを構築する。現時点では、シールド機の発進は25年夏になる予定だ。
JVは、シールド工事の経験がないフィリピン人の作業者やJVスタッフを教育・指導しながら、安全第一で施工を進めていく。