海外建設協会は2023年1月23日、優れた海外プロジェクトに贈る「OCAJIプロジェクト賞」の第1回表彰式を都内で開いた。大林組のタイ法人が手掛けた複合商業施設の建設事業「アイコンサイアムプロジェクト」や、鴻池組がサモアで受注した道路橋のプロジェクト「ヴァイシガノ橋架替計画」など建築・土木の工事計11件が受賞した。
第1回表彰の対象は、19年1月から21年12月までに竣工した契約金額1億円以上の海外プロジェクト。22年6月から7月にかけて、海建協と日本建設業連合会の正会員が携わった案件を公募した。14社が出した計25件の応募内容を、学識者や国際機関関係者など第三者による選考委員会で精査した。
選考では業務プロセスにおける品質や工期、安全、環境の各項目でプロジェクトを採点。加えて発注者による高い水準の要求や厳しい施工条件といった課題への対応やその成果を評価した。個別の評価点と合計点がそれぞれ一定の基準を上回ったプロジェクトを選出した。
海外の建設プロジェクトの表彰制度を巡っては、国土交通省が20年に「海外インフラプロジェクト技術者認定・表彰制度」を設けている。海建協は、独自の表彰制度によって建設会社が手掛けた仕事を評価し、海外展開を後押ししたい考えだ。
海建協の相川善郎会長(大成建設社長)は表彰式で「わが国の建設企業による施工実績などがもたらした貢献度を明確化することで、改めてわが国の保有技術や様々なノウハウを幅広く周知するコンセプトを持たせている」と語った。
受賞プロジェクトの説明資料から、発注者の要請による頻繁な設計変更や営業中の施設に隣接した現場での施工など様々な課題に対処した様子が読み取れる。だが個々のプロジェクトの受注者には守秘義務があるため、対外的に発信できない情報も多い。
選考委員の1人である関東学院の規矩大義理事長は表彰式で「クライアントの要求に誠実に応えて付加価値を高める陰の努力に関して、ともすれば不言実行をよしとしがちなのがわが国の建設企業だ」と語った。海建協に対し、賞の情報発信など広報活動の強化を求めた。