国土交通省九州地方整備局から調査業務を受託した八千代エンジニヤリング(東京・台東)と東亜建設技術(福岡市)が、氏名や住所などの個人情報を含む資料を相次いで紛失した。九州地整が2023年1月13日と18日にそれぞれ公表した。第三者への情報流出や不正利用は見つかっていない。
いずれのケースも、九州地整が受注者に貸与した資料をなくした。1件目の紛失が判明したのは23年1月12日。鹿児島国道事務所から地下水調査を受注した八千代エンジニヤリングが、業務に関連する個人47人の住所や氏名などを記録した紙の紛失に気付いた。
もともとは、鹿児島国道事務所が電子データで貸与した資料だ。業務に必要な位置情報などを含むため、同社が紙に印刷して現地調査に持ち出した。その際に資料をなくしたとみられる。1月27日時点で見つかっていない。
鹿児島国道事務所によると、個人情報を含む電子データを紙に印刷する場合は、事前に発注者と協議する必要がある。しかし、八千代エンジニヤリングから協議の申し出はなかったという。
同社から紛失の報告を受けた九州地整は、管内の出先事務所に対して個人情報を扱う業務の受注者に注意喚起するよう求めた。2件目の紛失があったのは、その直後の1月17日だった。
東亜建設技術が山国川河川事務所から受注した事業損失事後調査業務で現地調査に赴いた際に、業務に必要な17人の氏名などを含む紙の資料をとじたファイルをなくした。警察に届けて同日中に回収した。