清水建設と地盤改良工事を手掛ける東洋スタビ(岐阜県大野町)は共同で、木や竹などを不完全燃焼させた「バイオ炭」と、溶融させた廃棄物の焼却灰を固化した「溶融スラグ」を対象地盤に混ぜる地盤改良工法を開発した。施工時に温暖化ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を実現できる。
新工法は、粘性土や有機質土など細粒分を多く含む地盤に、固化材を散布して混合かくはんする混合処理工法を改良したものだ。混合処理工法による地盤改良工事では、製造時に多くの二酸化炭素(CO2)を排出するセメント系固化材を使用する。脱炭素化に向け、セメント系固化材の使用量低減が課題となっていた。
そこで新工法では、溶融スラグを改良対象地盤に混ぜて土性の改善を図ることで、固化材として使用するセメントの量を従来の混合処理工法よりも6割減らし、CO2排出量を削減。同時に、木材由来でCO2が固定化されたバイオ炭を対象地盤に混ぜ、炭素貯留効果によって施工時のCO2排出量を実質ゼロにする。