三井住友建設は、新東名高速道路新秦野インターチェンジ(IC)─新御殿場IC間で施工中のプレストレストコンクリート(PC)橋「滝沢川橋」上部工事に、「柱頭部の超急速施工法」を導入した。橋脚上部の柱頭部をプレキャストコンクリート(PCa)部材で構築するとともに、その上に据える橋桁施工用の機材を新開発して工期短縮を図った。2023年2月21日に発表した。
同工事は三井住友建設と極東興和(広島市)、ドーピー建設工業(札幌市)の3社のJVが手掛ける。柱頭部を施工し、その上にワーゲン(移動作業車)と呼ぶ橋桁施工用の機材を載せ、空中に張り出して橋桁を造る。
柱頭部では「柱頭部SPER(スパー)工法」を採用した。工場で配筋済みの中空のPCa部材を橋脚上に重ねて設置し、現場では中空部分だけにコンクリートを打設する。鉄筋コンクリートの配筋やコンクリート打設を全て工事現場で実施する従来の工法を見直した。
橋桁につながる柱頭部の張り出し部は、従来の工法ではワーゲンの使用開始前に造っていたが、橋桁と一括でワーゲンによって施工する手順に変えた。しかし、従来のワーゲンは既に張り出し部がある柱頭部に載せることを前提に設計しており、柱頭部SPER工法で構築した張り出し部が未施工のスリムな柱頭部には載せにくい。