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復建技術コンサルタントが構造設計を担当した綾里(りょうり)漁港地区(岩手県大船渡市)の水門(写真中央)。左右に設ける防潮堤との接続部などで設計ミスが発覚した(写真:岩手県)
復建技術コンサルタントが構造設計を担当した綾里(りょうり)漁港地区(岩手県大船渡市)の水門(写真中央)。左右に設ける防潮堤との接続部などで設計ミスが発覚した(写真:岩手県)
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 復建技術コンサルタント(仙台市)が設計した漁港の水門で構造計算などにミスがあり、一部で耐力が不足していることが分かった。納品前の社内チェックで設計ミスを見つけながら修正を怠っていた。発注者の岩手県は同社に対し、2022年12月28日から5カ月の指名停止措置を講じている。

■設計を誤った箇所を含む水門の平面図と断面図
■設計を誤った箇所を含む水門の平面図と断面図
(出所:岩手県の資料に日経クロステックが加筆)
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 設計ミスがあったのは、東日本大震災で被災した大船渡市内の綾里(りょうり)漁港に設ける水門とその周辺施設。これらの施設は21年6月に完成した。

 そのうち、水門両脇の防潮堤との接続部である胸壁と、水門の下を流れる綾里川の護岸として設けた翼壁が耐力不足だと分かった。防潮堤の施工を担当する県の監督職員が着工前の22年7月、接続部の断面形状が防潮堤と大きく異なることに疑問を抱いたのがきっかけだった。同社は22年11月、設計ミスの経緯を県に報告した。