山形県は、橋梁上部工事の入札で予定価格を誤って高く設定していたとして、落札したIHIインフラシステム・瀧上工業JVとの契約を解除した。予定価格を正しく設定していれば、他の入札参加者が落札するはずだった。県が2023年3月9日に発表した。
ミスがあったのは、最上川に架かる庄内橋の橋桁を製作・架設する工事の入札だ。庄内橋は酒田市と庄内町を結ぶ県道余目松山線の一部で、老朽化に伴う架け替えを進めている。
県は誤った積算を基に予定価格を22億9961万円(税抜き、以下同じ)、調査基準価格を21億5524万円と設定。これらの価格は事後公表とし、総合評価落札方式の一般競争入札で公告した。工期は22年12月21日から26年3月31日まで。
入札には6JVが参加。予定価格以下の札を入れた4JVのうち、評価値(技術評価点×1億/入札価格)が最も高かったIHIインフラシステムJVが21億5534万円で落札した。22年11月28日に契約を結んだ。
しかし23年1月中旬、積算に用いた単価が誤っているのではないかとの指摘を受注者から受け、県が確認したところ、ミスが発覚した。橋桁の架設時に実施するボルトの締め付け作業の単価を高く設定していた。正しく積算した場合の予定価格については、県は明らかにしていない。