東日本高速道路会社が東京外かく環状道路(外環道)の京葉ジャンクション(JCT)で進めているランプ(連絡路)の増設工事で、地下にあるコンクリート造の既設ランプ函体(かんたい、ボックス形の構造物)の鉄筋不足が判明した。既設部を施工した大成建設・戸田建設・大豊建設JVが設計を誤った。このままだと今後、増設ランプと一体構造となった際に函体の強度が不足する。大成JVは2023年5月10日、既設ランプの函体に鉄筋を増設する補強工事に着手した。
京葉JCTは千葉県市川市にあり、外環道と京葉道路を接続する。同JCTの建設に当たって、大成JVは設計業務を含む「田尻工事」を約1300億円で受注。JCTを構成するランプ8本のうち、4つのランプなどを10年9月~19年6月の工期で施工した。設計ミスがあったのは、外環道の高谷JCT方面から京葉道の東京方面に向かうFランプの函体だ。
現在、ランプ6本で供用している京葉JCTでは、残る2本のランプの建設が進んでいる。設計ミスは、高谷JCT方面からFランプと分岐して京葉道の千葉方面に向かうBランプの建設中に判明した。Bランプは、鹿島・鴻池組JVが20年10月~26年2月の工期で施工している。
鹿島JVが設計図書の照査に当たり、Fランプの設計内容の根拠を大成JVに照会。大成JVが確認したところ、構造計算時の入力内容に誤りがあったと21年11月に気づいた。
BランプとFランプが並走する箇所では、両者の函体が隔壁を共有する「合築構造」となる。今後、Bランプを増設して合築構造となったときに、函体のせん断補強筋が不足することが分かった。合築構造となる前のFランプ単体ならば、函体の強度に問題はないという。