ニュース解説:土木
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ひずみとひび割れからPC橋の内部鋼材の緩みが分かる、誤差わずか2%
東電設計など4者は、既設のプレストレスト・コンクリート(PC)桁内に配したPC鋼材の緊張力を桁表面のひずみやひび割れ幅から推定する手法を開発した。劣化状態を定量的に把握し、維持管理の効率化につなげる。東京理科大学の加藤佳孝教授、高速道路総合技術研究所、飛島建設との共同研究を通じて実用化した。
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北陸新幹線の開業遅れで揺れる鉄道・運輸機構、透ける天下りの弊害
国土交通省は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の理事長の公募を開始した。機構が建設を担う北陸新幹線金沢—敦賀間の開業が計画の22年度末から遅れる問題で、北村隆志前理事長が引責辞任したのを受けた措置だ。
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大成建設がCO2を8割減らすコンクリート2次製品の開発を加速
大成建設は、二酸化炭素の排出量を大幅に削減する環境配慮コンクリート「T-e Concrete」を使った土木・建築用2次製品の開発・普及を加速させる。土木や建築の資材メーカーなど8社から成る「T-e Concrete研究会」を設立。研究会では既にボックスカルバートやL形擁壁などの試作品を開発済みだ。
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品確法対応の目標を数値化、平準化や週休2日など
国土交通省は、工事・業務の平準化や週休2日の実施など公共発注機関の取り組みに関する全国統一の指標について、地域ごとに2024年度の目標値をまとめた。客観的な指標で進捗を明確にして、品質確保や働き方改革を促進する。
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大林組が千曲川施工不良で釈明、「経験不足」「急ぐあまり」
千曲川護岸の復旧工事で約1万3000カ所の施工不良が発覚した問題で、施工者の大林組は発生原因と改善措置に関する報告書を発注者の国土交通省北陸地方整備局に提出した。北陸地整が2021年1月14日、同社の報告書を公表した。
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損保ジャパンが国内初の保険、インフラが壊れる前に対策費用を先払い
損害保険ジャパンとメインマーク・ストラクチュアル・コンサルティング(東京・江戸川)、パスコの3社は、老朽化したインフラの劣化の進捗をICT(情報通信技術)センシングで把握し、自然災害の発生で壊れる前に対策費用を支払う保険サービスを始める。インフラの損壊を予知して事前に保険金を払う取り組みは国内初だ…
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外環道トンネル上に3カ所目の空洞、今度は切り羽付近で
東京外かく環状道路(外環道)の大深度地下トンネル上で、新たな空洞が見つかった。東京都調布市の住宅地で2020年10月18日に起こったトンネル上の陥没事故を受け、東日本高速道路会社が付近の調査を進めていた。見つかった空洞は、これで3カ所目。
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湯沢市が道路工事に中止命令、除排雪への注力求める
秋田県湯沢市はこの冬の記録的な大雪を受け、市が発注した工事8件の施工者に対し、除排雪に注力するため2021年1月末まで工事を中断するよう指示した。一時中止に伴い20年度内に完工できなくなった場合は、21年度への繰り越しを検討する。
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洪水と土砂災害の予報を民間に許可へ、気象庁が検討開始
気象庁は、国や都道府県にしか認めていない洪水と土砂災害の予報を、研究機関や民間事業者に許可するかどうか検討を始めた。2021年1月6日に、有識者でつくる検討会(座長:沖大幹・東京大学大学院教授)の初会合を開いた。21年4月までに報告書をまとめる考えだ。
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大林組が1万3000カ所の施工不良、千曲川復旧で
大林組が復旧工事を進めている千曲川の護岸で、約1万3000カ所の施工不良が判明した。発注者の国土交通省北陸地方整備局が2020年12月28日に発表した。両者は越年して対策を検討している。
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姫路市が斜面対策費4170万円を地権者に請求、民法の「事務管理」適用
兵庫県姫路市は、2年続けて台風で崩壊した民有地の斜面について、市が実施した対策工事にかかった費用約4170万円を地権者20人に請求する。地権者全員の合意が得られなかったため、民事調停を申し立てる考えだ。安全確保の義務を負う地権者が十分な対策をしないため、市が代わりに工事を実施した。
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セメントゼロの新コンクリート、二酸化炭素排出量を99%削減
奥村組土木興業とスペースK(東京・世田谷)は共同で、産業副産物である鉄鋼スラグを骨材や結合材に使う「スラグ固化体」を開発した。セメントを全く使わずにコンクリートと同等の強度を得られる。原材料の製造過程で排出される二酸化炭素を、コンクリートと比べて99%削減できる。
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21年度予算は公共事業費1割減、補正込みだと3年連続高水準
政府が2020年12月21日に閣議決定した21年度当初予算案(一般会計)では一見、公共事業関係費が前年度よりも大幅に減少したように映る。しかし実際は、10年ぶりの高水準となった19年度を上回る。
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リニア談合で大手4社に排除命令、「鹿島vs公取委」の様相も
談合やカルテルへの行政処分を巡って、鹿島グループが公正取引委員会との対決姿勢を強めている。
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中部横断道のトンネル内面にくぼみ、型枠のゆがみに気づかず
国土交通省甲府河川国道事務所は2020年12月18日、中部横断自動車道の下部温泉早川インターチェンジ(IC)―南部IC間に建設中の下八木沢第一トンネルで、覆工コンクリートの表面に延長約188mにわたってくぼみが生じていたと発表した。幅が最大0.75mmのひび割れも3カ所で確認された。
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アスファルト舗装を木材由来に、日本製紙と大成ロテックが開発着手
日本製紙と大成ロテックは、木材由来のクラフトリグニンをアスファルト舗装の原料の一部に利用した「バイオアスファルト混合物」を共同で開発する。化石燃料の消費を抑え、省エネを図る新たな舗装用材料として実用化を目指す。
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定期点検で前回調書を丸写し、応用地質を3カ月の指名停止
国土交通省四国地方整備局は、大型カルバートとシェッドの定期点検で前回の点検結果を流用した虚偽の調書を提出したとして、業務を受注した応用地質を2020年12月16日から3カ月の指名停止とした。
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測定器を引きずるだけで堤防の弱点が分かる
応用地質は、けん引式の電気探査測定器「オームマッパー」を改良して、河川堤防の弱点部分を効率的に可視化する手法を開発した。川の水が堤防背後から噴出する「パイピング」につながる堤防法尻付近の脆弱な地盤構造を詳細に把握できる。
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30年後に早期修繕が必要な橋をゼロに、国土強靱化で新対策
国土交通省は、自治体が管理する橋梁のうち定期点検で緊急または早期の対策が必要と判定される割合を約30年後にゼロにする。政府が2020年12月11日に閣議決定した「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」で明らかにした。
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ダム現場を時速30kmで走る自動運転ダンプ、大林組と日野自動車が実験完了
大林組と日野自動車はダムの建設現場内で、大型ダンプトラックによる自動運転(レベル4相当)の実証実験に成功した。最長1.3kmのルートを、最高時速30kmで走行した。ダンプトラックを使ったレベル4の実証実験は、日野自動車にとって初の取り組みだ。