ニュース解説:土木
目次
-
落石防ぐ足場の「要塞」、北野牧トンネル岩塊撤去工事
無数に組み上げた足場がまるで要塞のようにたたずんでいる。足場の高さは70m、30階建てのビルに相当する。圧巻のボリュームだ。
-
2週間で約300mの新旧橋桁を入れ替え、高速大師橋の架け替え工事
首都高速道路会社は2023年5月29日、首都高速の1号羽田線と神奈川1号横羽線の境界で多摩川に架かる高速大師橋の架け替え工事の現場を公開した。新旧の橋桁をそれぞれ上流側にスライドさせる工法を採用し、道路幅を16.5mから18.2mに拡幅したうえで耐久性を向上させた新たな橋に架け替える。
-
湿地再生の効果を「遠隔臨場」の技術で見える化、清水建設が開発
清水建設は、再生した湿地の維持管理に「遠隔臨場」など建設現場のICT(情報通信技術)を転用し、再生効果を見える化する手法を開発した。その手法の一部を使って、グリーンインフラ(GI)の機能向上につながる技術を検証する国土交通省のモデル事業に応募。採択を受け、2023年4月から現場実証に取り組み始めた…
-
掘進中のシールド機の位置や姿勢を連続して自動測量、戸田建設などが開発
戸田建設ときんそく(京都市)は共同で、シールドトンネル工事でシールド機の座標や姿勢を掘進中に連続して把握する新たな自動測量技術「MWMS (Measuring Worm Method system、マームシステム)」を開発した。2023年5月16日に発表した。
-
建設機械の遠隔操作事業を拡大へ、アラブが伊藤忠など3社と提携
建設機械の遠隔操作や自動運転の技術を開発するARAV(アラブ、東京・文京)は、伊藤忠TC建機(東京・中央)、伊藤忠商事、矢崎総業(東京・港)の3社と共に、建設機械向け遠隔操作システム事業の連携体制を構築する覚書を締結した。油圧ショベルやキャリアダンプに特化した後付け可能な遠隔操作装置について、20…
-
完成後3年の橋からコンクリ片落下、鉄建JVが仮設物の撤去怠る
宮城県気仙沼市で完成後3年のバス専用道の橋からコンクリート片が剥落した事故は、橋を施工した鉄建建設・ユニオン建設JVが仮設物の撤去を怠ったことが原因だと分かった。工事を発注したJR東日本によると、橋台上部に設けたコンクリートの仮設物が、橋台本体と十分に一体化していなかったため落下した。
-
ダムのグラウチングにおける地盤性状の把握作業量、前田建設がIoTで半減
米MODE(モード)は2023年5月、同社が開発した「MODE IoTプラットフォーム」を使い、前田建設工業が新潟県柏崎市にある「鵜川ダム」建設現場で、グラウチングにおける施工データと水圧計データから地盤性状を把握する作業量を従来の50%以下に削減したと発表した。
-
18自治体で低入札調査の基準が16年以前の低水準、追加調査で判明
公共工事の入札におけるダンピング対策について国土交通省が調査した人口10万人以上の市区73団体のうち18団体は、落札価格の最低ラインなどを2016年以前の低い水準に定めていることが分かった。国交省が2023年5月17日に発表した。
-
耐酸性に優れたセメントゼロのコンクリート、CO2排出量を8割減
IHIとIHI建材工業(東京・墨田)、横浜国立大学、アドバンエンジ(新潟市)は共同で、耐酸性を高めたセメント不使用のジオポリマーコンクリート「セメノン」を開発した。セメントを使用する通常のコンクリートと比べ、製造時に排出する二酸化炭素(CO2)の量を最大で約8割削減できる。
-
TNFD始動で「自然リスク」開示義務化の可能性、建設コンサルに商機
企業活動で生じる自然リスクについて国際組織「TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)」が開示の枠組みを2023年9月に正式決定するのを控え、民間企業に開示が義務づけられる可能性が出てきた。建設産業では、建設会社が対応策の検討に動き出した他、建設コンサルタント会社が開示サービスを立ち上げるなど…
-
施工中の外環道JCTで鉄筋不足判明、大成建設JVが設計ミス
東日本高速道路会社が東京外かく環状道路の京葉ジャンクションで進めているランプ(連絡路)の増設工事で、地下にあるコンクリート造の既設ランプ函体の鉄筋不足が判明した。既設部を施工した大成建設・戸田建設・大豊建設JVが設計を誤った。同JVは2023年5月10日、既設ランプの函体に鉄筋を増設する補強工事に…
-
国道工事で約9150万円を水増し、10人以上の職員が不正に関与
北海道横断自動車道工事の用地取得を巡る問題で、国土交通省北海道開発局釧路道路事務所が道路用地の地権者に約9150万円を不正に利益供与したことが分かった。同事務所の複数の職員が関与し、道路工事費の水増しで費用を捻出していた。
-
川幅縮小した工事現場で堤防決壊、「せき上げ」で水位上昇か
兵庫県伊丹市を流れる天神川で2023年5月8日未明、前日から降り続いた大雨による影響で堤防が決壊した。堤防の補強工事のために河道の幅をほぼ半分に狭めていたため、急な水位上昇が起こったことが原因だとみられる。県は23年6月上旬に検証委員会を開くなどして原因解明を急ぐ。
-
大林組と東亜建設のSEP船完成、風車の大型化に対応
大林組と東亜建設工業が共同で建造を進めていたSEP船(自己昇降式作業台船)「柏鶴(はっかく)」が完成した。同船は、洋上風力発電所の建設に使用する。当初は2020年10月に完成させる予定だったが、近年の風車の大型化を受けてクレーンの吊り上げ能力を1000tから1250tに増やしたため建造期間が延びた…
-
国内初の運転者いない自動運転「レベル4」、福井で移動サービス開始
国土交通省と経済産業省は2023年5月12日、福井県永平寺町にて、特定の条件下で完全な自動運転ができる「レベル4」での移動サービスを同年5月21日に国内で初めて開始すると発表した。
-
「事実無根」の工事成績の真相、ずさんな評定プロセスが露呈
横浜市の工事成績評定が2022年度監査で事実との相違を多数指摘された問題で、監査を受けた市の部署が、指摘を受けた事情について日経クロステックの取材に応じた。評定で用いる文書でのずさんな記載や記載漏れを、監査で事実誤認と解釈されたという。
-
鹿島が土木・建築とも2桁増収、建設大手4社の決算出そろう
大手建設会社4社の2023年3月期の単体決算が23年5月15日までに出そろった。鹿島は土木事業と建築事業の売上高がともに前期を10%以上上回るなど、好調が目立つ。利益についても、建築工事で深刻な施工不良が発覚した大成建設以外は増益か小幅な減益だった。
-
バイオ炭でアスファルト合材を脱炭素化、清水建設と日本道路が開発に着手
清水建設とグループ会社の日本道路は共同で、森林資源由来のオガ粉が原料のバイオ炭(オガ炭)をアスファルト合材の混合材に用いて、二酸化炭素(CO2)を合材の中に閉じ込める舗装技術の開発に着手した。両社が2023年5月15日に発表した。
-
千曲川堤防の覆土が6地区で崩落、「粘り強い河川堤防」の導入区間
2022年9月以降に完成したばかりの千曲川の堤防6地区で、川裏側の覆土が大雨によって崩落した。芝の根付きが十分でなかったことが一因とみられる。崩落した箇所は、国土交通省が技術的な検討を進めている「粘り強い河川堤防」を試行導入した区間だ。堤防を管理する同省千曲川河川事務所は「『粘り強い堤防』と今回の…
-
衛星とGISで自然情報開示を支援、国際航業がTNFD対応サービスを開発
国際航業は、衛星技術と地理情報システム(GIS)を組み合わせて、企業の「自然情報開示」を支援するサービスを開発した。事業活動が与える生態系リスクを開示する国際的な枠組み「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」の開示指針にも対応。2023年3月にサービスの提供を開始し、既に導入実績もある。