ニュース解説:土木
目次
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CO2排出量が実質ゼロ未満のコンクリート型枠、鹿島などが現場に初適用
鹿島とデンカ、竹中工務店の3社が幹事のコンソーシアム「CUCO(クーコ)」は、製造過程の二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロ未満にできるコンクリート製の「CUCO-SUICOM(クーコスイコム)型枠」を開発。トンネル工事で初適用した。
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誤って「氾濫危険水位」を配信、橋の吊り足場を水位計が検知
鹿児島市を流れる2級河川の甲突(こうつき)川について、避難指示を出す目安となる「氾濫危険水位」の情報が誤って発信された。川に架かる橋に設置された水位計が、橋の塗り替え工事の吊り足場を水面と誤検知した。民間の気象情報サービスにも誤った水位情報が配信された。
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道路を活用して太陽光発電、国交省が技術指針策定へ
国土交通省は、道路への太陽光発電施設の設置に関する技術指針を策定する。これまで設置場所の考え方を示した指針がなく、道の駅や料金所の上屋など比較的設置が容易な場所に限られていた。22年度中に指針案をまとめる方針だ。
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コンクリート表層に薬剤を練り混ぜ、寒冷期の待機時間を2~4時間短縮
飛島建設は、寒冷期に少量の薬剤をコンクリートの表層に加えて凝結を促進する工法「T-CROW」を開発した。コンクリートを打ち込んだ後、上面の仕上げに着手するまでの待機時間を2~4時間短縮できる。
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下請け処遇で建設会社の本社と現場に温度差、国交省調査
建設会社の下請け会社との取引状況に関する国土交通省の調査で、支店や支社と本社との間で標準見積書の活用姿勢などに大きな差があることが分かった。元請けと下請けとの取引の適正化は必ずしも進んでいない。
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トラックで運べる汚染水の浄化装置、水抜き不要で防衛施設にもニーズ
前田建設工業とメタウォーターは共同で、有害物質の有機フッ素化合物のPFOSやPFOAに汚染した水の可搬式浄化装置「De-POP’s ION」を開発した。
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有害物質含むリニア掘削土を遮水シートで封じ込め、JR東海が御嵩町民に説明
リニア中央新幹線のトンネル工事で発生するヒ素などを含む「要対策土」を巡り、処分候補地のある岐阜県御嵩(みたけ)町の住民から反発の声が上がっている問題で、JR東海は有害物質を封じ込める具体的な対策工法を住民に説明した。同社は町から処分地を買い取り、恒久的に管理したい考えだ。
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公共インフラを自衛隊が利用できる水準に、予算に「特定枠」新設へ
政府は安全保障の観点からインフラ整備を支援するため、従来の公共事業関係費とは別に省庁横断の「特定枠」を2024年度予算で設ける考えだ。防衛力の「抜本的強化」に向けて、5年以内に国内総生産(GDP)比2%以上への防衛費増額を目指すとした骨太の方針を受けて、新たな予算制度を打ち出した。
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地下の掘削現場を「デジタルツイン」、ニューマチックケーソンで遠隔施工しやすく
AI(人工知能)開発を手掛けるDeepX(東京・文京)は地下の掘削工事の状況をリアルタイムに「デジタルツイン」として再現する施工管理システムを開発した。仮想空間上で作業中のショベルや掘削する地山の形状を自由な視点で地上から見えるようにして、遠隔でショベルを操縦するオペレーターの作業効率を高める。
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農水施設の用水路の半数近くで保全計画作らず、更新費増大の恐れ
ダムや頭首工といった農業水利施設に付随する用水路などの44.5%で、予防保全に向けた計画を作成していないことが分かった。そのうち76.7%は、計画の基礎情報となる健全度を診断していなかった。対策が後手に回り、補強や更新の費用が増大する恐れがある。会計検査院が2022年10月26日に調査結果を公表し…
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資材高騰対策で建設会社への金融支援を強化
国土交通省は、政府が2022年10月28日に閣議決定した総合経済対策の一環として、公共工事を元請けとして受注した中小建設会社などに対する金融支援を強化する。資材価格の高騰に応じた融資の増額や追加融資の迅速化などを図る。
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「ナノバブル軽油」で重機の燃費向上、排ガスもきれいに
ナノバブル(超微細気泡)を軽油に混入することで重機の燃費を向上させる手法に注目が集まっている。建設発生土などの運搬業務を手掛ける大煌工業(埼玉県川口市)がダンプトラックで、奥村組土木興業(大阪市)が岩盤切削機でそれぞれ「ナノバブル軽油」の現場実証を進める。
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水深20mまでの「浅海域」を航空測量、日本初の海底地図で海岸線を9割網羅
日本財団と日本水路協会は2022年10月24日、全国の海岸に続く水深0~20mの「浅海域」を測量して海底地図をつくる日本初のプロジェクトを開始した。航空機によるレーザー測量で海底地形を把握し、3D地図をつくる。
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財務省が資材高騰による公共事業費増に難色、DXの効果見えず不満も
建設資材の価格高騰を踏まえた公共事業予算の増加に対し、財務省が難色を示している。国土交通省は2023年度予算の概算要求で、資材高騰に伴う必要経費について金額を定めない「事項要求」として計上。予算編成を具体化する過程で検討する方針を示していた。
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川辺川ダム整備でアユの生息脅かす恐れ、流水型でも対策が不可欠
国土交通省九州地方整備局は熊本県の川辺川に整備する流水型ダムについて、適切な対策を講じないとアユなどの生息環境に悪影響を及ぼす恐れがあるとの評価結果を明らかにした。従来の貯留型ダムと比べて環境への影響が小さいといわれる流水型でも、環境保全対策が欠かせないことが分かった。
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宮崎市が不調・不落対策で一般競争入札を拡大、指名競争で辞退者相次ぐ
宮崎市は、これまで指名競争入札で発注していた予定価格6000万円未満の建設工事の一部で、条件付き一般競争入札を試行する。指名競争では辞退者が多く不調や不落が目立つため、多くの参加者が見込める一般競争の対象を広げた。市が2022年10月13日に発表した。
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近赤外線を照射して土砂の含水比を測定、西松建設などが装置を開発
西松建設と西華デジタルイメージ(東京・港)は共同で、土工事などで使う土砂の含水比を近赤外線発光ダイオード(LED)と近赤外線カメラで測定する装置を開発した。現場で採取した土砂に近赤外線を照射して撮影すれば、準備から2~3分で含水比を測定できる。
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地盤陥没でクレーンが転倒、護岸からの吸い出しで空洞か
長野県上田市内を流れる矢出沢川の浚渫(しゅんせつ)工事で、護岸脇のコンクリート舗装が陥没してクレーンが転倒した。護岸からの土砂の吸い出しで、舗装の下に空洞が生じていたとみられる。発注者の県は2022年10月12日、クレーンの設置場所に対する施工者の安全確認が不十分だったために、事故が起こったと明ら…
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土砂噴出を招いた致命的な「判断ミス」、大阪のトンネル閉じ込め事故
大阪府守口市で掘削中のシールドトンネルに土砂が流入し、作業員が2日間閉じ込められた事故から10カ月。発注者がまとめた中間報告書で、事故当時の詳しい状況が判明した。地上のマシンオペレーターは、搬出用容器からが土砂があふれている目先のトラブルだけを認識。隠れた深刻な不具合に気づかなかった結果、致命的な…
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シールド機のカッタービット摩耗を色と匂いで把握、大林組
大林組は、トンネル工事で使うシールド機先端のカッタービットの摩耗状況を、掘削土砂の色と匂いで把握する装置「摩耗検知ビット」を開発し、実用化した。