ニュース解説:土木
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PCa部材の製造手順を不用意に変更、剥落防止シートが変状
道央自動車道の勇払川橋(北海道苫小牧市)の床版取り換え工事で、プレキャストコンクリート(PCa)部材の製作手順を不用意に変更したため、表面に貼った剥落防止シートが後に変状を起こしていたことが分かった。工事を発注した東日本高速道路(NEXCO東日本)は、施工者の日本高圧コンクリート(札幌市)を202…
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PCR検査で「サンショウウオ類」の生息調査を長期化、大成建設
大成建設は、サンショウウオ類など両生類の生息調査において、環境DNA分析と呼ぶ技術を使うことで従来の目視調査と比べて調査可能な期間を長くできることを確認した。希少な動植物類の保全対策で代替生息地を整備した際、その対策の効果をより確実に検証できる。対象生物は現在、両生類や魚類の一部だが、今後種類を拡…
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曲線形状の橋桁が災いして支承砕ける、想定外の力で疲労破壊
牛深ハイヤ大橋(熊本県天草市)で2021年8月、ローラー支承の破損が判明した。事故後の調査で、牛深港の海上に優美な曲線を描く独特な形状が災いしたことが分かった。ローラーが動かない橋軸直角方向に無理な力が働き、疲労破壊につながったとみられる。
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資材高騰への対策経費盛り込む、国交省概算要求
国土交通省は2023年度予算の概算要求で、公共事業関係費に22年度当初予算比で19%上回る6兆2443億円を計上した。一般会計全体では18%増の6兆9280億円を求めた。防災対策や脱炭素化に力を入れる。資材価格の高騰対策などは、金額を示さない「事項要求」に盛り込んだ。
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全国33地区で「ゾーン30プラス」、児童5人死傷の八街事故で
通学路など生活道路の安全確保を目的に、車の速度規制とハンプ(路面の凸部)などを組み合わせた「ゾーン30プラス」を、全国の25市町が計33地区で設定した。警察と道路管理者、教育委員会、自治会などが一丸となって、児童や高齢者らの安全を守る取り組みだ。
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リニアのシールド機が東京と愛知で損傷、本掘進は23年以降
リニア中央新幹線の大深度地下トンネル工事でシールド機の損傷が相次いでいる。東京都の現場で掘削土に混ぜる添加材の注入設備が故障した他、愛知県ではたて坑のコンクリート製仮壁を切削する際にカッタービットが破損した。JR東海が2022年8月9日に事故の経緯と対応策を発表した。
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群馬県が保安林解除せず上信道を供用、不正発覚で工事中断も
群馬県が建設中の上信自動車道で、保安林の指定を解除せずに工事を進め、一部の区間で供用を続けてきたことが分かった。県の職員が保安林解除の申請を放置するなど必要な事務処理を怠っていた。
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国交省職員が入札情報の漏洩図る、不審に思った同僚が上司に相談
国土交通省関東地方整備局利根川下流河川事務所の職員が、入札に関する情報を建設会社に漏洩しようとしていたことが分かった。同事務所は入札の公平性・公正性が保てないとして、2022年8月23日までに公告中だった3件の入札手続きを中止した。
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飛び地の太陽光発電計画、環境相「見直しなければ容認し難い」
太陽光パネル1枚と約11km先のパネル約8万枚を電線でつないで一体の発電所とする太陽光発電計画について、西村明宏環境相が「待った」をかけた。計画が合理性に欠けると判断し、電線敷設の撤回を含む抜本的な見直しを求めた。
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新東名トンネル工事で切り羽崩落、作業員2人けが
神奈川県山北町で施工中の新東名高速道路湯触(ゆぶれ)トンネルで切り羽が崩落し、作業員2人が巻き込まれた。1人が軽傷、もう1人は両足を骨折する大けがを負った。2人とも、命に別条はない。警察によると、切り羽に爆薬を埋め込むための穴を掘る作業中だった。
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除染で生じた土を使い盛り土の実証事業、再生利用を模索
環境省は、福島第1原子力発電所の事故に伴う除染作業で発生した放射性物質を含む「除去土壌」を道路盛り土や駐車場の造成に用いる実証事業に着手する。2023年度をめどに実証の成果をまとめ、公共工事で除去土壌の活用につなげたい考えだ。
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建設18業種が資金繰り支援を受けられず、国交省の統計不正で実害
国土交通省の「建設工事受注動態統計調査」(以下、建設受注統計)の不正処理で、建設業界に実害が生じていたことが分かった。中小企業を対象とした政府の資金繰り支援で、土工・コンクリート工事業など18業種が対象から漏れ、支援を受けられない時期があった。
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横浜湘南道路と横浜環状南線の開通時期が白紙に、シールド機事故響く
首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の未開通区間のうち神奈川県内を通る横浜湘南道路と横浜環状南線の開通見通しが白紙になった。相次ぐシールド機の事故に伴う工事中断や地元への配慮に伴う計画の見直しによって工期が長引いている。事業主体の国土交通省などが2022年8月4日に開いた神奈川県圏央道連絡調整会議で明…
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四国で地元反発の2事業を同時撤回、風力発電「中止ドミノ」(後編)
四国地方でも風力発電事業が頓挫した。再生可能エネルギー発電施設の開発などを手掛けるJAG国際エナジー(東京・千代田)のグループの合同会社2社が2022年8月10日、それぞれ徳島県那賀町などで検討してきた2事業を中止した。
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関電に続き日立造船やオリックスも、風力発電「中止ドミノ」(前編)
東北地方で風力発電事業の中止が相次いでいる。関西電力が2022年7月29日に宮城県川崎町の計画を撤回。8月4日に日立造船が福島県昭和村などの計画を、8月10日にオリックスが宮城県石巻市などの計画を、それぞれ白紙に戻した。
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GDPへの影響は最大0.1ポイント、それでも深刻な統計不正の代償
国土交通省の建設工事受注動態統計調査の不正処理で、国内総生産(GDP)の伸び率(%)への影響が最大0.1ポイントにとどまることが分かった。内閣府が2022年8月15日に、同年4~6月期のGDP速報に併せて、試算結果を公表した。
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名古屋市の舗装工事で乳剤不足、元関係者の通報で発覚
名古屋市上下水道局が発注した道路舗装の復旧工事で、元関係者の通報によってアスファルト乳剤の散布不足が発覚した。施工者は、散布不足を認めた2カ所について2022年7月末までに再施工を終えた。
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今度は効くか総務省の統計不正防止策、国交省は3年前の建議を“無視”
国土交通省の建設工事受注動態統計調査の不正処理を巡り、国の基幹統計の品質向上を検討してきた総務省統計委員会は、各府省の統計部門の組織風土改革などを盛り込んだ再発防止策をまとめた。
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建設業の失踪者は年4000人、人権侵害で「技能実習」見直しへ
政府は、国内外から「奴隷制」とも批判される外国人技能実習制度を見直す。実習生を受け入れる企業側の人権侵害や法令違反が後を絶たないためだ。建設関係では実習生の失踪者が年4000人近くに上り、法令違反率が8割に達する。
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地方空港の「MMS導入」2割、新技術の活用進まぬ公共事業(後編)
空港の管理で滑走路の点検の効率化につながると期待されるMMS(モービル・マッピング・システム)の活用が進んでいない。自治体が管理する地方管理空港などで、滑走路の点検にMMSを導入しているのは2割余りにとどまる。