ニュース解説:土木
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水道工事でCO中毒死、地下で換気せずエンジン式発電機使う
群馬県桐生市の水道工事で2023年3月7日、作業員4人が一酸化炭素(CO)中毒で死傷した。換気設備を使用せず地下空間でエンジン式発電機を使用したため、不完全燃焼を起こしたとみられる。現場には、必要な資格者を配置していなかった。
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橋梁の柱頭部を「超急速」施工、PCa化と新型ワーゲンで
三井住友建設は、施工中の新東名高速道路「滝沢川橋」上部工事に、「柱頭部の超急速施工法」を導入した。橋脚上部の柱頭部をPCa部材で構築するとともに、その上に据える橋桁施工用の機材を新開発して工期短縮を図った。
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上野パンダの豪邸リフォームの舞台裏、“双子の親離れ”も密着リポート
東京・上野動物園で東京都が約22億円の設計・工事費をかけて整備し、2020年9月にオープンした「パンダのもり」。ここのジャイアントパンダ舎が将来のパンダ繁殖のために、2023年2月に改修を終え、さらに1歳の双子パンダが3月に親離れして新生活を始めた。リフォームの詳細と親離れ計画などについて、 “パ…
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納品前に設計ミス見つけながら修正怠る、水門が耐力不足に
復建技術コンサルタント(仙台市)が設計した漁港の水門で構造計算などにミスがあり、一部で耐力が不足していることが分かった。納品前の社内チェックで設計ミスを見つけながら修正を怠っていた。
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積算ミスでIHI子会社との契約解除、山形県の橋梁工事
山形県は、橋梁上部工事の入札で予定価格を誤って高く設定していたとして、落札したIHIインフラシステム・瀧上工業JVとの契約を解除した。予定価格を正しく設定していれば、他の入札参加者が落札するはずだった。県が2023年3月9日に発表した。
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鉄道高架橋のGFRP製防護壁で剥落、JR九州が約1800枚取り換え
鹿児島県内を走るJR指宿枕崎線の高架橋で東レの樹脂製防護壁の表面が剥落したのは、防護壁の製造過程に問題があったことが原因と判明した。JR九州は剥落箇所周辺で2022年12月から、不具合の恐れがある防護壁1871枚の交換作業を進めている。
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河川カメラ338台が稼働停止、初期パスワード変更せずサイバー被害
国土交通省の河川監視カメラ338台が2023年1月中旬以降、不正アクセスを受けた疑いで稼働を停止している。セキュリティー対策の不備で、外部からの侵入を許した可能性が高い。国交省が23年3月1日、カメラ画像の配信停止を発表した。
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雪解け水で脱炭素、事前にダム水位下げ発電量増やす
国土交通省東北地方整備局北上川ダム統合管理事務所とJパワーは、胆沢ダム(岩手県奥州市)においてこれまで無駄にしていた雪解け水を有効活用して水力発電の発電量を増やす取り組みを始めた。
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企業の「自然情報開示」をアプリで支援、TNFDの開示指標に対応
京都大学発のスタートアップで生物調査用のスマートフォンアプリを展開するバイオーム(京都市)は、民間企業などの「自然情報開示」を支援するサービスを開発した。事業活動に由来する自然への影響を民間企業などが開示する国際的枠組み「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」の開示指標に対応する予定だ。…
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シールド機内部からカッターを交換、戸田建設などが大深度地下向けに技術開発
戸田建設とJIMテクノロジー(川崎市)、日本シビックコンサルタント(東京・千代田)は共同で、シールドトンネルの掘進を効率化するローラーカッター交換技術「Hi-RORRA System(ハイ・ローラ・システム)」を開発した。深さ40m以上の大深度地下の掘削においてシールド機内部でカッターを交換するこ…
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壁から外れた照明ケーブルで交通死傷事故、補修中のトンネル内
奈良県は2022年5月に補修工事中のトンネルで2人が死傷したバイクの転倒事故について、壁から外れて道路上に垂れ下がった仮設照明のケーブルに接触したのが原因だと明らかにした。23年2月13日に事故の調査報告書を公表した。
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猛暑日を避けて工期延長、国交省が発注の指針を改定
国土交通省は建設業の働き方改革を進める一環で、直轄土木工事の工期設定指針を2023年4月1日に改定する。熱中症を避けるために作業を止める日として猛暑日をカウントする他、天候不良などによる工事の休止日を休日とは別に数えるルールを明記する。同省が2月28日に発表した。
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山陽新幹線の地震対策を全線に拡大、今後30年で3000億円
JR西日本は2023年2月28日、山陽新幹線について高架橋柱の耐震補強など地震対策を全線に拡大すると発表した。52年度までの完了を目指して約3000億円を投じる。高架橋柱のうち国土交通省から前倒し要請を受けた優先度の高いラーメン橋台の対策は25年度までに終える。
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30分で設置できる海上足場、桟橋下での調査向けに
東亜建設工業とスターライト工業(大阪市)は共同で、杭(くい)に30分以内で設置できる桟橋調査用の軽量ユニット足場「SPIDER WEB STAGE」を開発した。軽量でユニット化した3種類の部材をボルトで連結するだけでよく、普通作業員2人がいかだ上で設置できる。潜水士や特殊な設備・技術は不要で、撤去…
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静岡・山梨県境に向けリニア工事の先進ボーリング開始
JR東海が山梨県内で進めているリニア中央新幹線の山岳トンネル工事で、2023年2月21日に静岡県境へ向けた先進ボーリングが始まった。静岡工区の着工時期が見通せない中、同社は工事の不確実な要素を減らすために県境まで可能な限り先進坑の掘削を進める。静岡県が地下水の県外流出に反発している点を踏まえ、湧水…
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建設3Dプリンターのポリウスが7億円の資金調達、量産体制確立へ
建設3DプリンターメーカーのPolyuse(ポリウス、東京・港)は第三者割当増資で7億1000万円の資金調達を実施し、量産体制の整備や製品の改良を進める。同社が2023年2月15日に明らかにした
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異なる断層の連鎖でM7超が2回発生か、トルコ・シリア地震
2023年2月6日にトルコ南部で2回発生したマグニチュード(M)7超の地震は、2つの断層で連鎖して起こった可能性が高いことが分かった。東北大学災害科学国際研究所が、2月10日に開催したトルコ・シリア地震に関する調査速報会で発表した。
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東京ガスがなぜ洋上風力? 福島沖で浮体式、30年に再エネ600万kW
東京ガスは信夫山福島電力(福島市)と共同で福島県沖での浮体式洋上風力発電事業の検討を開始したと発表し、2023年3月6日まで環境影響評価(アセスメント)方法書の縦覧を始めた。
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施工管理技士の受験で学歴を不問に、監理技術者に実務経験の証明求める
建設業界の人手不足や資格の不正取得といった問題を受け、国土交通省は2024年度から施工管理技術検定の受験要件などを見直す。受験に必要な実務経験の年数を学歴によらず統一する。受験者の実務経験を監理技術者などが工事ごとに証明する案も示した。23年2月8日に省令などの改正案を公表し、意見公募を始めた。
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河川工事が原因で浸水被害、「法的責任ない」行政が住民に補償
改修工事中の河川が想定外の豪雨で氾濫した場合、河川管理者は工事に瑕疵(かし)がなくても被災住民に補償すべきか――。2022年6月に北海道旭川市で発生したペーパン川の氾濫は、河川管理者の責任について難しい問題を投げかけた。川を管理する北海道は、工事が浸水発生の原因になったとして住民に被害を補償した。