ニュース解説:土木
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市販デジカメでコンクリート構造物の劣化サイズ検出、NTTが開発
NTTは、コンクリート構造物の撮影画像から劣化箇所を検出し、その大きさを自動で計測する技術を開発した。市販のデジタルカメラによる画像を使えて専用機材が不要なので、コスト削減や効率化を期待できる。実地検証で実際の点検に使用可能な精度であることを確認した。同社が2023年4月27日に発表した。
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熊谷組JVがコンクリ品質試験で虚偽報告、北海道新幹線のトンネル工事
北海道新幹線のトンネル工事で、熊谷組などのJVがコンクリートの品質試験について虚偽報告していたことが分かった。単位水量試験とスランプ試験を所定の頻度で実施したかのように装っていた。発注者の鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)と熊谷組が、それぞれ2023年5月2日に発表した。
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圏央道の盛り土から大量に規格外の石、関東地整が施工者名の開示拒む
首都圏中央連絡自動車道のつくばスマートICの建設現場で、既設の本線の盛り土から仕様を上回る大きさの石が大量に見つかった。直径30cm以下とする仕様に対し、最大で約90cmの石が混入していた。施工不良とみられるが、盛り土工事を発注した国土交通省関東地方整備局は「混入の経緯を確認中」などとして施工者名…
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桟橋の上部工を緊張力で軽量化、工期を縮め省人化も
五洋建設と日本ピーエス(福井県敦賀市)、海上・港湾・航空技術研究所、東京工業大学は共同で、「PC-Unit桟橋工法」を開発した。プレキャスト(PCa)化に加え、上部工を軽量化して下部工の杭の本数を減らすことで、工事の期間短縮と省人化を図れるようにした。
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国道のドローン撮影でマニュアル違反、国交省が公開映像削除
国土交通省香川河川国道事務所は2023年4月29日、ドローンによる国道の撮影で無人航空機飛行マニュアルに違反した疑いがあると発表した。撮影した映像を事務所の公式Twitterに掲載したところ、市民から問い合わせがあり違反の疑いが判明した。同事務所の福田尊元副所長は「詳細は調査中」と述べ、具体的な違…
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インフラ整備費の上振れ回避を、財務省が精度低い事業評価を問題視
財務省は、人口減少下での持続可能な社会資本整備に向け、精度の高い事業評価に基づいて新規事業に着手するよう国土交通省に求める。2023年4月28日に開いた財政制度等審議会の財政制度分科会で、今後の社会資本整備の方向性を示した。
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山岳トンネルの切り羽にリモコンで爆薬装填、作業時間を4割短縮
大成建設とアクティオ(東京・中央)は共同で、山岳トンネル工事において、切り羽に開けた孔に爆薬を素早く装填する装置「T-クイックショット」を開発した。リモコンの操作で、切り羽直下に立ち入らず安全に装薬できる。両社が2023年4月5日に発表した。
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建設コンサルでオフィス回帰、出社率8割以上の会社が76%
新型コロナウイルス禍でテレワークが広まった建設コンサルタント会社で、オフィス出社への回帰が強まっている。日経クロステックの調査によると、全社員に対する出社した社員の割合「出社率」が8割以上の会社は、2023年1月時点で76%に上る。東京などに2回目の緊急事態宣言が出ていた21年1月は54%、22年…
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首里城御庭「うなー」の謎に迫る、ゆがんだ広場が内包する幾何特性
世界遺産に認定されている那覇市の首里城は2019年に火災で焼失し、26年までの再建を目指している。かつて首里城を訪れた経験がある人は、中庭に当たる御庭(うなー)に足を踏み入れた途端、2層3階建ての正殿と、奉神門からその正殿中央に向かう浮道(うきみち)、地面に描かれた紅白のストライプ模様に目を奪われ…
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内閣府が国境離島のモニタリングに着手、領海の喪失防ぐ
内閣府は、領海や排他的経済水域(EEZ)を決定する基点となる「国境離島」の消失を防ぐため、継続的なモニタリングに着手する。2023年度は、重点的に状況を把握する対象を決める。今後のモニタリング結果を見て、対策工事が必要かどうかを判断する。
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「奴隷制」批判の技能実習廃止へ、新制度は転籍制限を緩和
技能実習制度などの見直しを検討している出入国在留管理庁の有識者会議は2023年4月19日に開いた会合で、同制度廃止と新制度発足の提案を含む中間報告書案を公表した。「奴隷制」などと批判を受ける要因となっていた外国人労働者の転籍制限について、新制度で緩和する方針を打ち出した。
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鋼管同士を14分で接続できる機械式継ぎ手、溶接の3割の時間で
戸田建設と構法開発(東京・墨田)、進富(千葉県白井市)は共同で、現場での溶接が不要で作業時間を大幅に短縮できる鋼管矢板の機械式継ぎ手「ボルト式鋼管矢板継手」を開発した。
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測量大手のパスコが不正会計、無理なノルマ設定を恐れ利益少なく計上
測量大手のパスコが複数年にわたり、売り上げの一部を次の期へ不正に繰り越す会計処理をしていたことが明らかになった。次の決算期に高い利益目標を設定されるのを恐れた幹部社員が当該決算期の利益を少なく計上した。不正に繰り越した売り上げは、2019年3月期から22年3月期までの4年間で約11億5000万円に…
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AIによる切り羽評価の妥当性を見える化、飛島建設が開発
飛島建設は、会社支給のスマートフォンを用いて山岳トンネルの切り羽をAI(人工知能)で評価するシステム「Auftakt for Tunnel Face(アウフタクトフォートンネルフェイス)」を開発した。補助ツールとして使用することで、切り羽の観察記録の作成業務を大幅に軽減できる。AIによる評価の判断…
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北海道新幹線の札幌延伸で費用が「効果」を上回る、資材高騰などで
2030年度の開業を目指す北海道新幹線の札幌延伸で、事業費の大幅な増加に伴い、費用便益比(B/C)が1を下回ったことが分かった。国土交通省は、事業には金額で表せない効果があるとして建設を継続する。同省が23年3月31日に発表した。
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横浜市の工事成績で事実無根の評定多発、完成工事を「打ち切り」など
横浜市が発注した工事の成績評定で、事実に基づかない評定が多発していることが、市の2022年度監査で判明した。工事が完成しているのに「事業者の責で打ち切り」と指摘したり、災害が発生しなかった工事で「災害防止への取り組みが不適切」と評したりしていた。
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静岡ガスが廃止管230kmを地中に残置、支社長らの勝手な判断で
静岡ガスが、静岡市道に埋設されたガス管の更新工事の際、廃止した古い管を市の許可を得ず地中に残置していたことが分かった。これまで不適切に残置した管の総延長は約230kmに上る。廃止管は原則撤去するよう市から通知を受けていたにもかかわらず、当時の静岡支社長らの勝手な判断で残していた。同社が23年3月3…
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セメントに供給したCO2の9割超を固定、太平洋セメントが開発
太平洋セメントは、フレッシュコンクリートに二酸化炭素(CO2)を効率よく固定するシステム「カーボキャッチ」を開発した。セメントと水を混ぜてスラリー状にしたセメントスラリーにCO2を供給し、炭酸カルシウムとして固定する。
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中日本高速の発注案件で「期限破り」急増、不慣れな会社が受注か
中日本高速道路会社が発注した工事や業務で、期限までに完了できない契約違反が頻発している。履行の遅れを理由に、国の指名停止に相当する「資格登録停止」を実施した件数が、2021年度の1件から22年度は15件に急増。同社は「事業進捗を遅らせるリスクとなり得る」(広報課)として、対策に頭を悩ませている。
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JR信越線に「豊岡新駅」が26年度誕生、群馬県高崎市とJR東が10年間の連携協定
群馬県高崎市とJR東日本は2023年3月27日、10年間の連携協定を締結した。JR信越線の北高崎駅と群馬八幡駅の間に、新たに「豊岡新駅(仮称)」を設置。市は新駅へのアクセス向上に向けた道路や橋も整備する。