ニュース解説:土木
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「謝罪代行業者」使い減給の市職員、今度は工事の指示書偽造し免職
静岡市は2023年3月29日、道路工事の設計変更指示書を偽造したなどとして、市道路部清水道路整備課の主任技師(30歳)を懲戒免職にした。この職員は21年8月にも、カーブミラーの設置について住民に虚偽の説明をしたうえ、住民への謝罪を代行業者に依頼したなどとして3カ月の減給処分を受けていた。
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前田道路がウェザーニューズと舗装向け天候指標を開発、工事の実施可否を判断
前田道路は2023年4月1日、ウェザーニューズが提供する天気アプリのビジネス版「ウェザーニュース for business」を全社導入した。両社は22年から、道路舗装工事に適した天気か否かを予想できる指標「舗装指数」を共同開発してきた。現場担当者は舗装指数を見ながら、工事の実施や延期を事前に判断す…
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週休2日を達成した現場は3割、46道府県の発注工事
国土交通省の調査で、東京都を除く46道府県が発注した2021年度の工事のうち、週休2日を達成した現場の割合が30.7%にとどまることが分かった。都道府県が週休2日の対象として公告した工事は平均で8割を超えており、達成率との間に大きな差が生じている。
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工費水増しで青木あすなろ建設に営業停止、施工不良で2度の隠蔽も
青木あすなろ建設が送水路工事の契約変更で、実施した工事量を偽って工費を水増ししたことを受け、国土交通省関東地方整備局は同社に2023年4月1日から15日間、東北地方での営業停止を命じた。この工事では複数の施工不良と、それを隠蔽するための書類の改ざんも判明。さらに同社は、施工不良発覚後の試掘調査でも…
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大成建設、山岳トンネルの先進ボーリング調査の湧水測定時間を半分以下に短縮
大成建設は山岳トンネルの先進ボーリング調査において、湧水帯の水量・水圧を測定するための装置の設置・回収にかかる時間を従来の半分以下に短縮する技術を開発した。削孔の開始地点からロッドを延ばす代わりに水圧で測定用装置を送り込み、測定後はウインチを使って素早く回収する。大成建設が2023年3月16日に発…
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コンクリート会社が水セメント比不正、由良川堤防で強度不足の恐れ
京都府福知山市のコンクリートメーカーが、水セメント比を偽って製品を出荷していたことが分かった。このコンクリートを使用した由良川の堤防で、水路などの強度不足の恐れが生じている。所管する国土交通省福知山河川国道事務所が発表した。
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リニアの大深度シールド機が3台相次ぎ稼働へ、本掘進に向け調査
リニア中央新幹線の大深度地下トンネル工事で2023年3月27日、2台のシールド機が稼働を始めた。東京都内の北品川工区では、本掘進に入る前に地上への影響や工程を検証する「調査掘進」の再開に向けた試掘を、神奈川県内の梶ケ谷工区では調査掘進を開始した。同県内の東百合丘工区でも、23年3月31日までに調査…
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地下空間を活用する次世代道路、大林組が実物大モックアップで性能検証
大林組は、地下空間を活用する次世代道路構想「ダイバーストリート」の実物大モックアップを構築し、施工性や性能、工期短縮の効果を確認した。従来工法では仮設で使っていた鋼矢板を、本設利用して地下空間を構築することで全体工期を約18%短縮できた。
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水道工事でCO中毒死、地下で換気せずエンジン式発電機使う
群馬県桐生市の水道工事で2023年3月7日、作業員4人が一酸化炭素(CO)中毒で死傷した。換気設備を使用せず地下空間でエンジン式発電機を使用したため、不完全燃焼を起こしたとみられる。現場には、必要な資格者を配置していなかった。
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橋梁の柱頭部を「超急速」施工、PCa化と新型ワーゲンで
三井住友建設は、施工中の新東名高速道路「滝沢川橋」上部工事に、「柱頭部の超急速施工法」を導入した。橋脚上部の柱頭部をPCa部材で構築するとともに、その上に据える橋桁施工用の機材を新開発して工期短縮を図った。
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上野パンダの豪邸リフォームの舞台裏、“双子の親離れ”も密着リポート
東京・上野動物園で東京都が約22億円の設計・工事費をかけて整備し、2020年9月にオープンした「パンダのもり」。ここのジャイアントパンダ舎が将来のパンダ繁殖のために、2023年2月に改修を終え、さらに1歳の双子パンダが3月に親離れして新生活を始めた。リフォームの詳細と親離れ計画などについて、 “パ…
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納品前に設計ミス見つけながら修正怠る、水門が耐力不足に
復建技術コンサルタント(仙台市)が設計した漁港の水門で構造計算などにミスがあり、一部で耐力が不足していることが分かった。納品前の社内チェックで設計ミスを見つけながら修正を怠っていた。
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積算ミスでIHI子会社との契約解除、山形県の橋梁工事
山形県は、橋梁上部工事の入札で予定価格を誤って高く設定していたとして、落札したIHIインフラシステム・瀧上工業JVとの契約を解除した。予定価格を正しく設定していれば、他の入札参加者が落札するはずだった。県が2023年3月9日に発表した。
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鉄道高架橋のGFRP製防護壁で剥落、JR九州が約1800枚取り換え
鹿児島県内を走るJR指宿枕崎線の高架橋で東レの樹脂製防護壁の表面が剥落したのは、防護壁の製造過程に問題があったことが原因と判明した。JR九州は剥落箇所周辺で2022年12月から、不具合の恐れがある防護壁1871枚の交換作業を進めている。
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河川カメラ338台が稼働停止、初期パスワード変更せずサイバー被害
国土交通省の河川監視カメラ338台が2023年1月中旬以降、不正アクセスを受けた疑いで稼働を停止している。セキュリティー対策の不備で、外部からの侵入を許した可能性が高い。国交省が23年3月1日、カメラ画像の配信停止を発表した。
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雪解け水で脱炭素、事前にダム水位下げ発電量増やす
国土交通省東北地方整備局北上川ダム統合管理事務所とJパワーは、胆沢ダム(岩手県奥州市)においてこれまで無駄にしていた雪解け水を有効活用して水力発電の発電量を増やす取り組みを始めた。
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企業の「自然情報開示」をアプリで支援、TNFDの開示指標に対応
京都大学発のスタートアップで生物調査用のスマートフォンアプリを展開するバイオーム(京都市)は、民間企業などの「自然情報開示」を支援するサービスを開発した。事業活動に由来する自然への影響を民間企業などが開示する国際的枠組み「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」の開示指標に対応する予定だ。…
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シールド機内部からカッターを交換、戸田建設などが大深度地下向けに技術開発
戸田建設とJIMテクノロジー(川崎市)、日本シビックコンサルタント(東京・千代田)は共同で、シールドトンネルの掘進を効率化するローラーカッター交換技術「Hi-RORRA System(ハイ・ローラ・システム)」を開発した。深さ40m以上の大深度地下の掘削においてシールド機内部でカッターを交換するこ…
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壁から外れた照明ケーブルで交通死傷事故、補修中のトンネル内
奈良県は2022年5月に補修工事中のトンネルで2人が死傷したバイクの転倒事故について、壁から外れて道路上に垂れ下がった仮設照明のケーブルに接触したのが原因だと明らかにした。23年2月13日に事故の調査報告書を公表した。
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猛暑日を避けて工期延長、国交省が発注の指針を改定
国土交通省は建設業の働き方改革を進める一環で、直轄土木工事の工期設定指針を2023年4月1日に改定する。熱中症を避けるために作業を止める日として猛暑日をカウントする他、天候不良などによる工事の休止日を休日とは別に数えるルールを明記する。同省が2月28日に発表した。