ニュース解説:土木
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山陽新幹線の地震対策を全線に拡大、今後30年で3000億円
JR西日本は2023年2月28日、山陽新幹線について高架橋柱の耐震補強など地震対策を全線に拡大すると発表した。52年度までの完了を目指して約3000億円を投じる。高架橋柱のうち国土交通省から前倒し要請を受けた優先度の高いラーメン橋台の対策は25年度までに終える。
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30分で設置できる海上足場、桟橋下での調査向けに
東亜建設工業とスターライト工業(大阪市)は共同で、杭(くい)に30分以内で設置できる桟橋調査用の軽量ユニット足場「SPIDER WEB STAGE」を開発した。軽量でユニット化した3種類の部材をボルトで連結するだけでよく、普通作業員2人がいかだ上で設置できる。潜水士や特殊な設備・技術は不要で、撤去…
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静岡・山梨県境に向けリニア工事の先進ボーリング開始
JR東海が山梨県内で進めているリニア中央新幹線の山岳トンネル工事で、2023年2月21日に静岡県境へ向けた先進ボーリングが始まった。静岡工区の着工時期が見通せない中、同社は工事の不確実な要素を減らすために県境まで可能な限り先進坑の掘削を進める。静岡県が地下水の県外流出に反発している点を踏まえ、湧水…
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建設3Dプリンターのポリウスが7億円の資金調達、量産体制確立へ
建設3DプリンターメーカーのPolyuse(ポリウス、東京・港)は第三者割当増資で7億1000万円の資金調達を実施し、量産体制の整備や製品の改良を進める。同社が2023年2月15日に明らかにした
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施工管理技士の受験で学歴を不問に、監理技術者に実務経験の証明求める
建設業界の人手不足や資格の不正取得といった問題を受け、国土交通省は2024年度から施工管理技術検定の受験要件などを見直す。受験に必要な実務経験の年数を学歴によらず統一する。受験者の実務経験を監理技術者などが工事ごとに証明する案も示した。23年2月8日に省令などの改正案を公表し、意見公募を始めた。
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異なる断層の連鎖でM7超が2回発生か、トルコ・シリア地震
2023年2月6日にトルコ南部で2回発生したマグニチュード(M)7超の地震は、2つの断層で連鎖して起こった可能性が高いことが分かった。東北大学災害科学国際研究所が、2月10日に開催したトルコ・シリア地震に関する調査速報会で発表した。
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東京ガスがなぜ洋上風力? 福島沖で浮体式、30年に再エネ600万kW
東京ガスは信夫山福島電力(福島市)と共同で福島県沖での浮体式洋上風力発電事業の検討を開始したと発表し、2023年3月6日まで環境影響評価(アセスメント)方法書の縦覧を始めた。
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河川工事が原因で浸水被害、「法的責任ない」行政が住民に補償
改修工事中の河川が想定外の豪雨で氾濫した場合、河川管理者は工事に瑕疵(かし)がなくても被災住民に補償すべきか――。2022年6月に北海道旭川市で発生したペーパン川の氾濫は、河川管理者の責任について難しい問題を投げかけた。川を管理する北海道は、工事が浸水発生の原因になったとして住民に被害を補償した。
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遠隔操縦式の水中重機に新装備、短工期で硬岩掘削が可能に
大成建設は、ダムのリニューアル工事などで使う遠隔操縦が可能な水中作業機「T-iROBO UW(ティーアイロボ・ユーダブリュー)」に装着する硬岩掘削用のアタッチメントを開発した。T-iROBO UWの既存のアタッチメントと使い分けることで、軟弱な堆積土や硬質な岩盤など水中の様々な地盤に対応できる。
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公共工事の労務単価が9年ぶり5%超上昇、コロナ特例なしで高水準
国土交通省は、公共工事の入札で予定価格の算出などに使う労務単価を2023年3月1日から引き上げる。現行と比べて全国・全職種の単純平均で5.2%上昇する。11年連続の上昇で、伸び率が5%を超えるのは9年ぶり。国交省が23年2月14日に発表した。
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樹脂製の水道管からガソリン浸入、管種の選定ミスか
北海道室蘭市内の給油所から漏れ出したガソリンが水道水に混入した事故を受け、市は浸透に弱いポリエチレン(PE)製の水道管をダクタイル鋳鉄管に取り換える。2023年2月9日に開いた有識者による検討委員会で対策を明らかにした。
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契約外の構造計算のミスで擁壁不安定に、設計者の責任問えず
岡山市が造成した県道の擁壁が不安定だった問題で、ミスがあった構造計算は、市の担当者が建設コンサルタント会社に口頭で指示した契約外の業務だったことが分かった。無償で行わせた業務なので同社の責任を問えず、市の費用負担で補強工事を実施した。市は2023年1月30日、当時の担当職員とその上司ら5人を減給な…
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解体せずに移設できる防音囲い、大成建設が工事車両用に開発
大成建設は、工事現場においてコンクリートポンプ車などの作業時の騒音を軽減するコンパクトなユニット式の防音囲いを開発した。工事車両の周囲に容易に設置でき、従来の騒音対策と比べて約20%省スペース化。各ユニットを覆う防音シートの内側に吸音材を貼ることで、5~10dBの防音効果を実現した。
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NEXCO3社が1兆円の新たな更新計画、重大損傷に対応
東日本、中日本、西日本の高速道路3社は、延長500km、事業費約1兆円の新たな更新計画をまとめた。有識者による技術検討委員会(藤野陽三・城西大学学長)の中間取りまとめを受け、2023年1月31日に明らかにした。
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吊り橋の補修工事中に橋脚倒れ2人けが、仮設計画に問題か
2023年2月3日午後2時半ごろ、和歌山県白浜町を流れる日置(ひき)川に架かる吊り橋が補修工事中に崩落した。橋脚が吊り足場のワイヤに引っ張られるようにして転倒。作業員ら2人が巻き込まれ、骨を折るなどの重傷を負った。
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清水建設が約500億円で発注した自航式SEP船「BLUE WIND」を引き取り
清水建設は2023年1月31日、約500億円を投じてジャパン マリンユナイテッドに建造を依頼した自航式SEP船(自己昇降式作業台船)「BLUE WIND(ブルーウインド)」の引き渡しを受けた。大型風車の設置に対応できる、最大揚重能力2500tのクレーンを有する。
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除染などは1者入札多く高落札率、会計検査院が指摘
環境省が進めている東京電力福島第1原子力発電所事故を受けた除染などの入札で、1者しか参加しなかった案件が約半数を占め、その落札率は高くなる傾向があったことが会計検査院の調査で判明した。同院が2023年2月3日に発表した。
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リニア工事で隣県の先進ボーリングに静岡県反発、「水が流出する」
山梨県内で進むリニア中央新幹線の山岳トンネル工事を巡り、静岡県がJR東海への反発を強めている。山梨県側から県境に向けて実施する先進ボーリングで静岡県内の地下水が流出する可能性を懸念。着手前の協議や対策を求めている。
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炭と溶融スラグを混ぜる脱炭素型の地盤改良工法、清水建設などが開発
清水建設と地盤改良工事を手掛ける東洋スタビ(岐阜県大野町)は共同で、木や竹などを不完全燃焼させた「バイオ炭」と、溶融させた廃棄物の焼却灰を固化した「溶融スラグ」を対象地盤に混ぜる地盤改良工法を開発した。施工時に温暖化ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を実現できる。
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設計ミスで松山駅の高架化半年遅れ、パシコンなどに改修費求める
JR松山駅付近の鉄道の連続立体交差(高架化)事業を巡り、2つの架道橋で橋脚の位置や橋桁の寸法などに設計ミスがあったことが分かった。2024年3月末に終わる予定だった高架化が、半年ほど遅れる見通しだ。JR四国が23年1月19日に発表した。