ニュース解説:土木
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阪神高速が2000億円の更新事業追加、損傷著しい22km
阪神高速道路会社は2023年1月27日、新たに2000億円を投じて老朽化したトンネルや高架橋など延長22kmの区間を更新すると発表した。15~29年度の予定で進めている現行の更新事業に追加する。更新の対象区間は113kmに、事業費は6000億円に増える。
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高速道路の合成桁で床版撤去時間を2割短縮、清水建設が新工法
清水建設は、水平・鉛直の両方向を切断できるユニット型のワイヤーソー切断装置を使い、鋼橋の合成桁でコンクリート床版を効率的に切断・撤去する新工法「床版クールカット工法」を開発した。従来工法より、撤去工事にかかる時間を約2割短縮できる。
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「技術士の資質能力」を初改定、SDGs対応や新技術活用を求める
文部科学省は、2014年に定めた技術士の資質能力(コンピテンシー)の規定を初めて改定する。「継続研さん」の項目を追加するほか、SDGs(持続可能な開発目標)への対応や情報技術(IT)の活用などを促す文言を盛り込む。23年1月25日に開いた科学技術・学術審議会技術士分科会の会合で改定案を示し、大筋で…
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建設業の倒産が14年ぶりに増加、新型コロナや資材高騰が影響
建設業の2022年の倒産件数が14年ぶりに増加した。実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済本格化や資材価格高騰などが、中小・零細建設会社の経営を圧迫したとみられる。
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八千代エンジが排水門の設計ミス、本体や支承が強度不足
八千代エンジニヤリング(東京・台東)が手掛けた排水門の詳細設計で、本体の鉄筋量や管理橋の支承の強度など複数の箇所で設計ミスがあったことが判明した。設計を委託した国土交通省関東地方整備局は、業務が粗雑だったとして同社を2023年1月23日から1カ月の指名停止とした。
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山岳トンネルのコンクリート打設で人力作業減らす装置開発
戸田建設とトンネル用型枠メーカーの大栄工機(滋賀県長浜市)は共同で、山岳トンネルの施工に要する労力を軽減する装置「スイッチャーズ」を開発した。覆工コンクリート打設の工程に残る手作業を減らし、現場の省人化を進めるのが狙いだ。2023年1月5日に発表した。
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八千代エンジなどが個人情報を相次ぎ紛失、無断で印刷・持ち出しも
国土交通省九州地方整備局から調査業務を受託した八千代エンジニヤリング(東京・台東)と東亜建設技術(福岡市)が、氏名や住所などの個人情報を含む資料を相次いで紛失した。九州地整が2023年1月13日と18日にそれぞれ公表した。第三者への情報流出や不正利用は見つかっていない。
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海建協が初のプロジェクト表彰、建設会社の海外展開を後押し
海外建設協会は2023年1月23日、優れた海外プロジェクトに贈る「OCAJIプロジェクト賞」の第1回表彰式を都内で開いた。大林組のタイ法人が手掛けた複合商業施設の建設事業「アイコンサイアムプロジェクト」や、鴻池組がサモアで受注した道路橋のプロジェクト「ヴァイシガノ橋架替計画」など建築・土木の工事計…
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フィリピン初の地下鉄工事でシールド発進、清水建設などJV4社が受注
清水建設を代表企業とする共同企業体(JV)が建設している、フィリピン初の「マニラ首都圏地下鉄工事」において、シールド工法によるトンネル掘削工事がスタートした。2023年1月9日にはマルコス大統領らによるシールド機の発進式が行われた。
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住友林業が風力発電計画取りやめ風車撤去へ、各地で逆風
住友林業が津市白山町で進めている風力発電計画を取りやめることが分かった。建設中の2基の風車は撤去する。建設段階で中止するのは珍しい。果たして一体何が起こっているのだろうか。
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大林組とJFEエンジなどがジャカルタで初の下水処理場建設、受注額は約300億円
大林組とJFEエンジニアリングは2023年1月10日、インドネシアの首都ジャカルタ特別州で初めてとなる下水処理場の建設を受注したと発表した。受注金額は約300億円。ジャカルタ特別州は、下水道の普及率が約12%と低い。
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桟橋形式を断念しトンネルで復旧、再崩落した乗鞍スカイライン
再崩落した乗鞍スカイラインの復旧方法について、岐阜県は有力視していた桟橋形式を断念し、トンネルで迂回(うかい)ルートを建設すると決めた。現地の地盤を詳細に調査した結果、地下の深い箇所まで岩盤の風化が進んでいることが判明。恒久利用する構造物の建設は望ましくないと判断した。県が2023年1月20日に明…
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都道府県の6割で工事の平準化進む、市区町村は遅れ気味
全国の自治体が発注した工事の施工時期に関する調査で、2021年度に都道府県の6割で前回調査の19年度よりも平準化が進んだことが分かった。一方で、市区町村では都道府県ほど平準化が進んでいない。国土交通省と総務省が23年1月11日に、21年度の工事を対象とした調査結果を公表した。
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アースドリル工法の支持層到達を数値で確認、熊谷組などが開発
熊谷組と雄正工業(東京・新宿)は共同で、アースドリル工法での支持層への到達を定量的に確認する「熊谷式アースドリル工法掘削抵抗測定技術」を開発した。掘削時のドリリングバケットの動きを支持層確認の判断材料にする。2022年8月に日本建築センターの技術審査証明を取得した。
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構造計算などのミスが続々判明、パシコンの橋脚補強設計
パシフィックコンサルタンツが手掛けた関越自動車道の橋脚補強設計で、構造計算や鉄筋の配置、アンカーの埋め込み長など複数の箇所でミスがあったことが分かった。東日本高速道路会社が工事発注の準備段階で同社に設計の考え方を確認したところ、設計者が構造計算の誤りを発見。これを受けて同社が設計全体をチェックし、…
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週休2日の実現に最大100万円を助成、「2024年問題」を前に新制度
厚生労働省は、週休2日制の導入を目指す中小の建設会社を支援する新たな助成制度を設ける。労務に関する研修の受講や生産性向上に資する機材の導入といった働き方改革に要する費用について、会社が4週5休~4週8休の間で設定した目標に応じて最大100万円を支給する。2023年4月をめどに申請の受け付けを開始す…
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維持・修繕工事で指名入札や共同受注を拡大、国交省が改善案
維持・修繕工事で入札不調が頻発していることなどを受け、国土交通省は発注方式の改善案をまとめた。指名競争入札の拡大や複数の建設会社が共同受注する仕組みの導入などを挙げている。2023年1月16日に開いた有識者委員会で明らかにした。
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土砂災害起こしたメガソーラー工事再開、国は規制強化へ
太陽光発電は再生可能エネルギーの主力となっている一方で、施設整備が土砂災害を引き起こすとしばしば懸念され、実際に引き起こす場合もある。22年7月には鹿児島県姶良(あいら)市内の大規模太陽光発電施設、いわゆるメガソーラーの建設現場が土砂災害を起こした。
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山岳トンネルの切り羽を携帯端末使ってAIが評価、安藤ハザマが開発
安藤ハザマは、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末で山岳トンネルの切り羽を評価する「AI切羽画像評価システム」を開発した。携帯端末で撮影した切り羽の画像をAI(人工知能)が評価する。現場試行で従来の目視観察と同等の精度で評価できることを確認した。
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トンネル工事の出水で井戸枯れか、広島で異変相次ぐ
広島県熊野町の平谷地区で井戸枯れが相次いだ問題は、地下送水トンネルの新設工事が影響している可能性が高いことが分かった。2021年7月ごろからトンネル掘削時の湧水量が増え、同年10月以降に井戸の異変を訴える苦情が続出した。