ニュース解説:土木
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書類を偽造し道路工事費など水増し、静岡県が職員懲戒
静岡県は2022年12月27日、設計書などを偽造して道路関係の工事と業務計3件の費用を不正に増額した男性職員を、4カ月の停職にすると発表した。職員は同日、県に退職届を提出した。既に虚偽有印公文書作成などの罪で起訴されている。
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地中の丸太が10年近く劣化せずに炭素貯蔵効果を持続、液状化対策で打設
飛島建設と国際緑化推進センターは共同で2022年12月1日、液状化対策として地中に打設した丸太が約10年間、劣化せずに健全な状態で炭素を貯蔵し続けられたことを実証した。千葉県木更津市内で2013年に実証実験として打設した丸太の掘り出し調査を実施して確認した。
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橋の設計ミスで工費3倍に、工期は4年半延長
長野県が建設を進める国道148号雨中バイパスの新柳瀬橋(小谷村)に設計ミスがあり、上部工の工費が当初の6億6200万円から22億6900万円に膨らむことが分かった。再設計の結果、材料費がかさんだ他、仮設費が増大した。2021年1月までだった工期は25年8月まで延長した。
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今度は地表面上昇でシールド機停止、トラブル続きの広島高速5号
相次ぐシールド機トラブルで工事が難航している広島高速5号の二葉山トンネルで、今度は管理値を超える2.5mmの地表面上昇が起こり、掘進を中断した。2021年11月以降、シールド機の臨時点検などで6回、掘進を止めていたが、地表面上昇による停止は初めて。
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リニア静岡工区の環境保全巡り本格議論を開始、国の有識者会議が論点整理
リニア中央新幹線の南アルプストンネル静岡工区における環境への影響について検討する国土交通省の有識者会議(座長:中村太士・北海道大学教授)は、高山地帯の動植物やトンネル湧水、掘削土置き場などを中心に本格的な議論を始める。2022年12月20日に開いた会合で、事務局の国交省がまとめた論点案を委員が了承…
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首都高の新たな更新事業に約3000億円、羽田トンネルなど22kmで
首都高速道路会社は羽田トンネルや荒川湾岸橋など延長約22km、事業費およそ3000億円に及ぶ新たな更新計画の概略を明らかにした。有識者による技術検討委員会(委員長:前川宏一・横浜国立大学大学院教授)の中間報告を受け、2022年12月21日に公表した。
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監理技術者マニュアル改定、担い手不足で専任要件を緩和
国土交通省は2023年1月1日、建設現場への配置技術者の専任要件緩和を盛り込んだ新たな監理技術者制度運用マニュアル(以下、監理技術者マニュアル)の運用を始めた。同日の改正建設業法施行令の施行に合わせた措置だ。22年12月23日に発表した。
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横浜湘南道路などで事業費3200億円増、鋼材高騰や環境配慮が響く
首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の未開通区間のうち神奈川県内を通る横浜湘南道路と横浜環状南線の事業費が2020年の試算から計約3200億円増加し、約1兆3620億円に上ることが分かった。鋼材の価格高騰や周辺環境を考慮した工法の見直しなどが費用を押し上げた。
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コンクリート工事で休日返上不要に、清水建設などが薬剤開発
清水建設と日本シーカ(東京・港)は共同で、コンクリート打ち継ぎ面の作業に時間的な余裕をもたらす薬剤「ルガゾール-919UR」を開発した。散布後に作業可能な状態が続く時間を従来品の3.7倍に延ばした。清水建設が2022年12月1日に発表した。
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どうなる宮城・鳴子温泉郷の風力発電 大崎市長「反対」
宮城県大崎市の伊藤康志市長は2022年12月1日会見を開き、同市鳴子温泉郷付近で進められている風力発電計画「(仮称)六角牧場風力発電事業」への反対を表明した。事業者は環境影響評価(アセスメント)の手続きで23年1月17日まで同準備書を公開し、意見を受け付けている。
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国土強靱化2%増など公共事業予算の高水準続く、公共交通の再編で新たな補助
政府は2022年12月23日、一般会計総額が過去最大となる114兆3812億円の23年度予算案を閣議決定した。22年度当初予算を6兆7848億円上回り、初めて110兆円を超えた。過去最大の更新は11年連続。高水準の公共事業関係費を維持し、国土強靱化に重点的に取り組む。
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道路トンネルで覆工コンクリの厚さ不足、30cm必要なのに4cmの箇所も
長野県上松町の県道上松南木曽線ねざめトンネルで、覆工コンクリートの厚さが大幅に不足していることが分かった。設計上の厚さ30cmに対して、最も薄い箇所では4cmしかなかった。問題の箇所を含む工区は西松建設・不動建設(現・不動テトラ)・神稲建設(長野県飯田市)JVがNATM工法で施工し、2002年に完…
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国道工事で宅地造成費用を不正捻出、地権者が「補償足りない」と訴え発覚
国土交通省北海道開発局釧路開発建設部が2017年度から19年度にかけて、道路用地の元地権者の要求に応じて移転先の宅地の造成費用を不正に捻出していたことが分かった。道路工事の盛り土量を水増しして費用を賄っていた。
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ドローン未経験の島根県職員ができた、地震後想定した砂防堰堤の点検
島根県雲南県土整備事務所はドローンを活用したサービスなどを手掛けるA.L.I. Technologies(エーエルアイテクノロジーズ、東京・港)の協力を得て、地震時を想定した砂防堰堤(えんてい)の点検でドローンを使う模擬訓練を実施した。木などの障害物を自律で回避するドローンを使って、操縦経験のない…
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北海道新幹線の事業費が6445億円増、資材高騰や追加工事など響く
国土交通省は、2030年度の開業を目指す北海道新幹線の札幌延伸の事業費が、資材価格の高騰や追加工事の発生などで当初の計画より6445億円増加し、2兆3145億円に上る試算を発表した。一部の工事は最大4年程度遅れているものの、開業時期の延期については言及していない。
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市内全域を対象とする初の下水道コンセッション、三浦市で23年4月から
神奈川県三浦市は2023年4月に開始する公共下水道の運営事業について、前田建設工業を代表企業とするSPC(特別目的会社)と22年12月末までに実施契約を締結する。自治体が施設を所有したまま運営権を民間企業に売却するコンセッション方式を採用した。市内全ての公共下水道施設を対象に、同方式で維持管理から…
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鳥取県が国の道路補助金25億円を喪失か、手続きの遅れで
鳥取県監査委員の2021年度決算の監査で、職員の手続きミスによって県が約25億円に上る国の道路事業補助金を受け取れなかったことが分かった。県庁の中で、道路整備と会計の各担当部署の意思疎通が不十分だったことも判明した。
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弾性波で地下30mまでの地質を短期間に調査、「南西防衛」での活用も期待
大和探査技術(東京・江東)は、小規模な弾性波(S波)を起こす震源装置を用いて、地下30mまでの浅い箇所の地質を探査できる手法を開発した。ボーリング調査と組み合わせれば、調査の迅速化と精度向上を両立できる。地盤の固さに左右されず短期間で広範囲に調査できることから、自衛隊が手掛ける南西諸島での防衛拠点…
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自治体の枠超えインフラの選別急げ、国交省の専門部会が提言
国土交通省の専門部会は笹子トンネル事故から10年となったのを機に、インフラの維持管理体制を見直すよう求める新たな提言をまとめた。小規模の自治体を中心に老朽化対策の遅れや技術者の不足が目立つ中、広域的な視点に基づくインフラ施設の取捨選択や自治体同士の協力を提案。道路や河川など分野をまたいだ包括的民間…
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詳細不明の水道管をAIが推定して補完、中小自治体の台帳整備を後押し
インフラ老朽化の予測技術を手掛ける米FRACTAの日本法人、Fracta Japan(東京・渋谷)は水道事業者が保有する水道管路台帳の欠損をAI(人工知能)で補完するサービスの提供を始めた。記録が残る周辺の管路や水道施設の情報を基に、管の口径や素材、敷設年数を自動で推定する。老朽化が進む水道インフ…